2013年9月23日月曜日

「公園の利用は1時間以内」と市の立て看板。これが福島の現実……

きのう22日の朝刊の読者投稿欄に胸を痛くした。

それは「福島県53歳・主婦」からのもの。見出しは「孫の公園遊びに放射能の影」。1歳9カ月の女の子の孫と出掛けたときのようすを述べている。一部を引用する。

 除染したばかりの公園へ、線量計で放射線量を測りながらのお散歩です。孫は素手で遊具やベンチを触ります。少しでも触れたら水道水で洗うように注意しています。
 公園の入り口には「公園の利用後は1時間以内」「公園利用は手、顔を洗い、うがいをする」「土や砂を口に入れない」などと、注意を呼びかける市の看板が立てられています。
(中略)
 娘夫婦は転勤もかなわない状況です。なぜなら代わりに福島へ来る人がいないから。これが福島の現実なのです。
(『朝日新聞』「声」2013年9月22日)

以下のことは常識だけど、今一度確認しておこう。

放射能の身体への影響は、被曝の量と時間の「足し算」できまる。たとえ低線量でも、自然放射能でも、被曝する時間が長いほど、リスクはたかまるのだ。

また幼児ほど、放射能影響の感受性が強い。だから幼児や子供の利用が多い公園で、「利用は時間以内」と注意勧告するわけだ。

さて、福島のこの「現実」に、政府も地方自治体も、そしてぼくたち市民ももっと目を向けて、全力でなんとかしないといけない。

公園で1時間以上遊んだら危険だ、と子供に思わせるなんて、ぼくたちはなんてひどい社会をつくってしまったのだろう。

また、福島から離れようにも、経済的にどうしようもない現実。福島に住めば放射能が怖い、でも福島を離れたら食べていけない。この状況を早くかえる必要がある。

そのためには、福島から移住したい人がいつでも移住できるための補償が必要だ。

政府は企業減税をするというが、この減税分を福島にまわしたらどうか? それに東京五輪の施設整備費用も。あと民間でも、移住のための募金や住まいの提供、就職・新規開業斡旋などの活動が必要だろう。

この「現実」なんとかしないと、このままでいいわけがない。

3 件のコメント:

Ken さんのコメント...

はじめまして。
ネットサーフィン中にこの記事を読み、多少の驚きを感じました。

私は福島の中通に住んでおります。私にも小さな子供が二人いて、一緒に近所の小さな児童公園から大きな公園も含め数多くのに行きましたが
「公園の利用後は1時間以内」
こういった看板をたてた公園を見たことがありません。たぶん無い方が普通でしょう。

「公園利用は手、顔を洗い、うがいをする」
「土や砂を口に入れない」
内容としてはこれは普通のことで、どの公園にも当てはまりますね。でもこの看板も見たことがありません。

福島県の多くの公園には除せん後の線量が記載された看板がたっています。中には除せん後も線量が下がり切っていない公園もあるでしょう。ただ私の住む中通では、そういった公園は非常に限られると思います。

「これが福島の現実」
朝日の「声」の欄にあったその声はある意味、現実であり虚構です。
つまり福島の浜通りや中通りは原子力発電所事故により放出された放射性物質によって汚染されました。これは紛れもない事実であり、そういった看板のある公園はあるかもしれません。ただ「声」の方の様に散歩が可能な地域での多くの公園にはそういった看板は見当たらないでしょう。

また「代りに福島に来る人がいないから」もよく解りません。福島では既に今年七月辺りから転入者も増加傾向にあります。

福島では多くの人が放射線の影響について、多くの知識を身に付け、気にせずとも良いレベルでコントロールされていることを意識するというルーチンワークを日々こなし、通常の生活を送っています。

放射線の影響に関しての考え方は科学であろうとも、感じ方は人それぞれです。福島には様々な感じ方を持つかたがいます。それは事実ですが、看板や人の動きは虚構といっても過言ではありません。

私は福島出身ではありませんし、私の妻はあなたと同じ花園の熱い汗の香る地の生まれです。福島に縁があるわけではありませんが、福島を一歩出ると感じる福島への不理解を不条理に感じずにはいられません。

移住の補償を願う人もいるでしょう。そういった方々への配慮は私も必要だと思います。ただそこには誤解など一切ない正しい理解が必要だと思います。
福島への、福島に住む人たちの本当の現実が少しでも伝えたく、ここにコメントさせていただいた次第です。

秋場龍一 さんのコメント...

コメントありがとうございます。

「公園の利用は1時間」というのは、福島の一部の公園だろうと思います。

そして、一部であろうが、「ふつうでない現実」があるわけです。

こういう「現実」が存在することに胸が痛み、また驚き、この「現実」をすこしでも多くの人に伝えようと思いました。

私は千葉県柏市在住です。

はい、ホットスポットとよばれる。

当市でも公園や学校などで除染がおこなわれ、除染後の線量が公園入り口に記載されています。

これも「ふつうでない現実」です。

頂いたコメントで気になった箇所があります。

「福島では多くの人が放射線の影響について、多くの知識を身に付け、気にせずとも良いレベルでコントロールされていることを意識するというルーチンワークを日々こなし、通常の生活を送っています」

ほんとうに「気にせずとも良いレベル」であればいいのですが。

個人によって、放射線の健康への影響評価はさまざまです。

私は、低線量被曝による晩発性障害をかなり危惧する者です。

福島県民約200万、そしておおよそ3000万から4000万の人が、原発事故で多少なりとも被曝したはずです。

仮に1パーセントの人に影響が出ても数十万、0.1パーセントでも数万になります。

けっして小さな数値ではありません。

たとえば玄海原発が建つ、玄海町の白血病罹患率は厚労省の調査(2007年度)によると、全国平均の11倍です。

この数値は、やはり原発との関連性において「有意」ではないでしょうか。

こんなデータはエビデンスにならないという人もいるかもしれませんが、私は疫学的に有意とみます。

以上のように述べているものの、「脅かす」ことが本意ではありません。

いま注意して暮らせば、放射線障害をすこしでも軽減できると考えるからです。

あとで、あのときもっと防護していれば、と後悔することがないようにしたいのです。

チェルノブイリ事故で見られるように、事故後4年から5年を経て、その後どんどん発症する晩発性障害を見据えることが大切だと考えているのです。

「福島を一歩出ると感じる福島への不理解を不条理に感じずにはいられません」とありますが、多くの福島の方がそう感じておられるのかもしれません。

「不理解」というのは、「無知」から生じることが多いものです。

福島県外の者は、その「現実」をあまり知らないように思われます。

ただ、もっともっと福島在住の方は、その「現実」を県外へ伝えていただければ、と思います。

今回の新聞の投稿者のように、また当ブログへコメントしていただいたように、その「現実」が知られるにつれ、「不理解」は減少するはずです。

どうかこれからも、お気づきになったことがあれば、どんどん県外へ発信してください。

ちなみに、小生は「花園の熱い汗の香る地」の3駅ほど難波よりの駅近くで生まれ育ちました。

秋場龍一

永島健一 さんのコメント...

手短く私の感じた事をお伝えします。
1.本来生物(人)は人工放射能を受け入れない権利があるはずです。
2.原発は政府が推進してきたもの、事故が起こり困って放射能許容基準を緩めました。その新基準が免罪符にはなりません。
3.放射能は五感で感じ取りにくいし、影響は晩発性です。安全サイドで対処すべきです。