2013年11月27日水曜日

秘密保護法をなぜ急ぐのか? その理由のひとつは放射性障害の急増の事実を隠ぺいするためではないか……

天下の悪法案が衆議院を通過した。

圧倒的に多くの国民が反対、世界中の人権機関が注視、危惧するなか、強硬に「秘密保護法」制定を急ぐのは、いったいなぜか? 

それはアメリカの要請や安倍政権の強権支配体制、それに核廃棄物処理埋蔵地の選定など、さまざまな理由が挙げられている。

そして、そのひとつに加えなければならないのは、福島第一原発事故による被曝で、放射性障害による病気や症状、死者が増大することが想定され、その事実を隠し通したい、というねらいである。

杞憂であってほしいのだが、チェルノブイリの例を鑑みると、今後、被曝による晩発性障害の急増が避けられないのではないか。

すでに福島や茨城、千葉など、東北や関東の子どもに、その兆候がみられる。

たとえば、過去の疫学的データを数十、数百倍も超過している甲状腺がんなどの障害である。

「被曝障害増大」が、国民の前に周知されると、政権ならびに原子力ムラが立ち行かなくなる。

それを懸念して、この件を秘密指定にすることで、この問題を国民の眼から遠ざけたいという思惑だ。

アベノミクスならぬアホノミクスで一時的に株価を無理やり上げたアメの見返りは、こんなムチだったのだ。

それは国民が安倍の正体を知らないムチ(無知)につけこまれたから、なんてシャレにもならないぞ。

 

2013年11月25日月曜日

「見えたんですよ、カップの太さぐらいの線が。すごくいいイメージで打てた。手が震えました」17番のイーグルパットをきめた森田理香子。これはゴルフ界でいう「雨樋」。プレイヤーにパットラインが映像として見え、そのラインに沿い、雨樋を伝わるようにボールが転がりカップに沈むことをいう。こんなスポーツで起こる不可思議な現象を掘り起こしたのが、拙著『スポーツの至高体験』です……。

昨日24日、「大王製紙エリエールレディス」最終日。

今季女子ゴルフの賞金ランキングを横峯さくらと激しく争う森田理香子は、勝負どころのバックナインで逆転して今季4勝目を飾るとともに、賞金ランキング1位の座を奪回した。

とくにこのゲームのポイントは、パー5の17番。

2オンして、パットまでの距離は長い15メートル。

ここで森田に、「雨樋」が見えたのだ。

そう、森田の視線に、カップへとつづくビクトリーライン(太い線)が見えたのである。

これはスポーツ界でよくいわれる「光のライン」に通じるもので、いろいろな競技の多くのプレイヤーが、そのラインが試合中に見えたことを語っている。

 
ネジを巻き直した10番から連続バーディー。16番(パー3)で1.5メートルを沈め、17番(パー5)では15メートルを沈めるイーグルが飛び出した。2メートル曲がるフックラインを「見えたんですよ、カップの太さぐらいの線が。すごくいいイメージで打てた。手が震えました」。後半はボギーなしの1イーグル、3バーディーで圧巻のまま締めくくった。(日本経済新聞web2013/11/24 22:42

スポーツのさなかに、こういった常識を超え、ときには神秘的ともいえる体験をすることがある。

あまり知られていないが、実はそんな体験を、数多くのスポーツプレイヤーがみずから語っている。

人間の体験や意識世界は、ときとして日常を超えた領域に瞬時にワープするのである。

ピークエクスペリエンス、ゾーン、フローとはなにか?

その不可思議で魅力的な肉薄したのが拙著『スポーツの至高体験』です。


2013年11月22日金曜日

「甲状腺異常が見つかっても、それは被曝の影響ではない」という結論にみちびくシナリオが……

 
福島原発事故
県民健康管理調査の闇
 
 
日野行介
岩波書店、2013
 
 
 
 福島県は福島第一原発事故による健康への影響について網羅的に調べる「県民健康管理調査」を実施した。
 
だが、その「調査」の裏では、恐るべきブラックな事態が進行していた――。
 
本書の著者は毎日新聞現役記者。
 
その内容は俗にいう“スクープ”である。ただし下世話な興味本位のものではなく、今後数十年、場合によっては世代をまたぐ長期間にわたる、人の生命と健康に関する重大な問題に関したものだ。
 
その生命と健康の対象となるのは、福島200万県民、さらには東北・関東・北陸・中部など、放射能汚染にさらされた約4000万住民にもかかわるものである。

そういった意味でジャーナリズムの本領を発揮した最高の“特ダネ”ということになる。
 
「県民健康管理調査」を実際に担当するのが福島県立医大、その調査方法や検査結果を評価するために設けられたのが「検討委員会」である。
 
そして、ここに登場するのが、山下俊一その人を筆頭とする御用学者の面々。
 
山下は県立医大副学長と検討委員に就任し、「調査実行」と「検討評価」を兼務することになる。

これは、プレイヤーとアンパイヤー、あるいは被告と裁判官を兼ねるという立場だ。
 
このひとつの事実だけでも、この「調査」の信頼性が著しく疑われるだろう。

そして、その疑惑どおり、そこには「闇」が潜んでいた。
 
 
……検討委員会は約1年半もの長期間にわたって、一切その存在を知らせることなく「秘密会」を繰り返し開催していた。報道機関や一般に公開する検討委員会の会合を開く直前に、福島県と県立医大は「準備会」「打ち合わせ」の名目で秘密裏に検討委員たちを集め、「どこまで検査データを公表するか」「どのように説明すれば騒ぎにならないか」「見つかった甲状腺がんと被曝との因果関係はない」などと、事前に調査結果の公表方法や評価について決めていたのである。(本書Ⅴ頁)
 

――こんな「秘密会」が存在することを、毎日新聞は12年10月3日、一面トップと社会面で報じたのだ。
 
この「調査」は、調査の前にその「結果」が決まっていた。
 
それは「甲状腺異常が見つかっても、それは被曝の影響ではない」という結論にみちびくというシナリオが……。

そして、このシナリオがまだ廃棄されず、シナリオに沿って忠実に進行していることは、この間の「調査」の報告を聞いてもあきらかだ。
 
さらに、この報道に動揺する県幹部のようす、毎日新聞への民主党県議の「抗議」や自民党県議の「懇願」が記されているが、彼らがだれのために存在しているのかが浮き彫りになる。
 
また、国の原子力規制委員会、とくに事故後の「健康管理」を検討するとりまとめ役となった中村佳代子委員の、その会議での言動や振る舞いに、この人の正体があきらかになるだろう。
 
ところで、内部被曝をできるかぎり正確に検査するには、ホールボディカウンター(WBC)では不十分で、尿検査が必要である。
 
だが、山下俊一は、そのWBC検査さえ、できればやりたくないという趣旨の発言をしている。
 
そして、著者の直接インタビューで、山下は原子力発電について、その「意義」を明確にしていることを付け加えておこう。
 
巻末に「県民健康管理調査」の検討委員とオブザーバーの氏名と所属が記されている。

これはぼくたち、とりわけ子どもたちの生命と健康をまもるための「貴重」なリストになるだろう……。

 


 

2013年11月17日日曜日

石破幹事長の「原発新設検討」は再稼働を既成事実化するための見え透いた政治的ハッタリ

自民党の石破幹事長が「原発の再稼働がよくて新設がだめだという話は成り立たない」と述べた。

これ、ハッタリかましてるよね。

この発言のねらいは「新設」ではなく「再稼働」なのだ。

再稼働を目論むため、新設をもってきたわけだ。

むろん、原子力ムラの本音というか願望としては、新設したいはずだ。だが、現情勢のなかで、原発が新設できるなんて考えられない。

この発言、まず「原発の再稼働がよくて」と前ふりしているが、ここがキモ。

いったい、いつ、だれが「原発の再稼働がよくて」なんてことにした?

だれも「再稼働がよい」なんて、言っていないし、想っていない。

事実、国民の圧倒的多数は再稼働に反対している。

再稼働がよい、と考えているのは原子力ムラの構成員だけだ。

それを「原発の再稼働がよくて」と、あたかもそれが既成事実のように述べて、「原発新設」というトピックなネタをもってくることで、再稼働はもう決まった話、としたいわけだ。

で、なぜ再稼働を既成事実化したいのかといえば、再稼働することへの政治的懸念があるから。

原子力ムラとその傀儡である安倍政権は、再稼働を具体的に提示した瞬間、安倍政権への支持率が急落することをおびえているのだ。

また、あの「再稼働反対」の集会・デモが沸騰することへの危機感もあるだろう。

再稼働したい、でも再稼働したら政治的にやばい――。

この葛藤と焦燥から「原発の再稼働がよくて」発言となったのだ。

あの言っておくけど、「再稼働」はもちろん、原発の存在そのものも認めていないんだからね、そこのところ忘れないようにね。

それにしても、こういう見え透いたハッタリを、それをそのまんま報道するNHKって、なんなのだろうね。

2013年11月15日金曜日

今年の漢字は「嘘」に、流行語大賞は「完全ブロック」に決定! そして安倍晋三が「大虚人」として特別賞の栄誉に!

今年もあと一か月半。年末恒例のイベントに関する話題がぞろぞろ出始めている。

そういえば、きのうのホームセンターの新聞折り込みチラシのキャッチコピーは「クリスマスなんたら」だった。

さて、ここで一足お先に、今年の世相をあらわす「漢字」と「新語・流行語大賞」を発表する。

今年、全世界に向かって臆面もなく大ウソをついた一国の代表がいた。

たしか日本という国の、安倍晋三という首相だった。

「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」

「汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」

「福島近海でのモニタリング数値は、最大でもWHO(世界保健機関)の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だ」

「健康に対する問題はない。今までも、現在も、これからもない」

もうウソのオンパレードだ!

ここまで見え透いたウソを、何の恥じらいも屈託もなく、世界に向かってスピーチできるというのは、これはこれで一つの大いなる才能かもしれない。

ふつう、こんなウソはどれほど金を積まれたって、どんなに拝み倒されても、そうはつけるものではない。

おそらく、この安倍晋三氏は世界に冠たる「大虚人」として、後世にその名を遺すにちがいない。

「嘘」といえば、有名デパートやホテル、レストランなどが、ぞくぞく「虚偽食材」を発表した。

まあ、みんなで謝ればこわくないって感じで、われもわれも「ウソをついておりました」と白状して頭を下げた。

これ、あきらかに「詐欺」でいけないことだ。

でも、まだワビただけ、救いはある。

救いがないのが、安倍晋三その人である。

日本の国会でも、汚染水や放射能は「ブロック」や「コントロール」できていると、まだウソをつきとおしている。

これはこれで、首尾一貫しており「大虚人」という名に恥じないものである。

安倍晋三の虚言一色に包まれて、今年が暮れようとしている。
 

 

2013年11月13日水曜日

甲状腺がんが「被曝から3年以内に発生する可能性は低い」と複数の専門医が分析って、これ真逆だろ

きのう12日、福島県は東電福島第一原発事故発生時18歳以下だった子ども約22万6千人にたいしておこなわれた甲状腺検査の結果を発表した。

甲状腺がんと診断されたのは26人、「疑い」は33人で、計58人(良性腫瘍の1人を除く)だった。

これは10万人当たり、がん確定で12人、疑いも含めると26人となり、原発事故前の宮城県など4県の15~19歳の甲状腺がんの発生率、10万人当たり1.7人とくらべると異常な高さを示している。

あきらかに、この数値は、原発事故による被曝が原因であると推察できるだろう。

だが、福島県は検査の性質が異なるので、被曝の影響は考えられないというのだ。

しかし、原発事故前と後で、7倍~15倍も増えており、これは被曝の因果性と関係づけないほうに無理がある。

それに複数の専門医が、チェルノブイリでは原発事故から4、5年経て甲状腺がんが発生したので、被曝から3年以内に発生する可能性は低いと分析したというのだが、これはかなり特異な「分析」ではないか。

いったいいつ、甲状腺がんは被曝から3年以内に発生しない、というエビデンスが認知されたのか?

そんな学術論文や確定データがあるなら、ぜひ公開してもらいたい。

ごくふつうに「分析」というか推測すれば、甲状腺がんの急増が「チェルノブイリで4、5年、福島で3年」ということは、福島はチェルノブイリよりも事態が深刻だから早く発生した、となるのではないか。

それと、この検査結果はあくまで「経過報告」にすぎず、最終的な「結果」ではないということだ。

月日の経過によって増える可能性があり、最終的な「結果」は数10年先となる。

これこそ、チェルノブイリの事例に学ぶべきである。

2013年11月12日火曜日

15万避難住民全員が帰還条件の「20ミリシーベルト」で暮らすと、150人から1200人ががんで死ぬ

きのう11日、原子力規制員会は有識者会合において、東電福島第一原発事故で避難した住民の帰還条件として、年間被曝量を20ミリシーベルト以下とすることを了承したという。

仮に約15万人とされる避難住民全員が20ミリシーベルトの放射能汚染地域で暮らすとして、その放射能の影響による、がんで死亡する数を原子力専門家と原子力推進専門機関の基準で計算してみた。

すると、専門家である小出裕章氏の基準では1200人、放射線リスクを過小評価しているとされる国際放射線防護委員会(ICRP)の基準でも150人が死亡するという結果が出た。

この基準値は国際社会でよく知られているものであり、日本の原子力規制員会も政府も、もちろん承知しているはずだ。

ということは、国はミニマムで150人の死亡を容認することになる。

また欧州放射線リスク委員会(ECRR)科学議長のクリス・バズビー英アルスター大客員教授は「子どもの年間被曝量20ミリシーベルトは犯罪的で無責任」と述べている。

この「帰還条件20ミリシーベルト」を客観的に評価すると殺人的行為ということになるのだが……。

2013年11月11日月曜日

「(ヨウ素剤を)いま思えば、飲ませればよかった」放医研・明石真言

安定ヨウ素剤の服用について、長崎大教授の山下俊一、そして放医研(放射線医学総合研究所)の緊急被ばく医療研究センター長である明石真言が大きな影響を与えた。

そのふたりが「いま思えば、飲ませていればよかった」と答えている。

このことについては、もう取り返しがつかないことだし、彼らが置かれた立場から重大な失態であり、その責任を追及されなければならないだろう。

ただ、ここでもうひとつ重要な問題が浮上する。

いま、彼らがヨウ素剤を飲ませるべきだったと認めるということは、被曝した住民の健康状態(とくに甲状腺)が憂慮される、ということである。

であるなら、なぜ子どもたちの健康状態について、もっと徹底した検査が行われないのだろうか。

それは福島県だけにかぎらず、放射性物質に汚染されたすべての地域住民、とりわけ子どもたちに必要なことではないか。

すでに被曝が原因と疑われる甲状腺異常が、福島や東北、関東などの子どもたちに見られる。

チェルノブイリ周辺地域では、原発事故後、4年5年以降から増大し、10年以上経っても、甲状腺がんをはじめ、数多くの被曝障害に苦しむ子どもたちがあとを絶たない。

この事例を日本が教訓としないことなどありえない。

兎にも角にも、子どもの健康はまもらなくてはならない。

(参考引用資料『朝日新聞』「プロメテウスの罠」「医師、前線へ23」「消えたファクス」2013年11月10日朝刊)

2013年11月10日日曜日

子どもの甲状腺検査を急げ! 関東の市民団体がカンパで検査機器を購入して自主検査

福島以外の地域では、国や自治体での原発事故の被曝による健康調査が満足に実施されていない。

とくに子どもの甲状腺検査が急がれる。

チェルノブイリでは、放射線被曝による健康障害のある子どもが90パーセントを超えている地域もある。

だが、安倍首相が世界に向けて「健康問題については、今までも現在も将来も全く問題ない」と虚言を弄するほどだからか、いくら国や自治体にはたらきかけても、ほとんど動こうとしない。

子どもの命が危ない! もう待てない! 

そこで、千葉・埼玉・茨城の市民が立ち上がった。

国や自治体がやらないのなら、市民にカンパをよびかけて超音波検査機を購入して自主検査しよう、と。

そして結成されたのが「関東子ども健康調査支援基金」。

市民のカンパで約300万円を集め機器を購入した。

きのう9日には、千葉県流山市の病院で、西尾正道医師(北海道がんセンター名誉院長)の協力を得て、その機器を使った検査が行われ100名近くの小学生などが受診した。

これが、茨城県つくば市、ひたちなか市に次いで3回目だ。

●問い合わせ「関東子ども健康調査支援基金」電話0297484911常総生協内

(参考資料『東京新聞』ウェブ「原発事故で市民団体 甲状腺エコー検査」2013年11月10日)




 

2013年11月9日土曜日

山下俊一「放射性物質があんな広範囲に広がっているとは思わなかった」

しかし、それにしても、こんな人物が、福島200万県民の健康と命に関して重大な影響を与えていたなんて……。

いまとなっては取り返しがつかないのだが、よくもこんないいかげんな根拠で、住民の安定ヨウ素剤の服用を否定したものだ。

山下のヨウ素剤をめぐる発言を見てみよう。

2011年3月18日、福島県立医大の講演でヨウ素剤不要を説く。

ところがである。

「福島に入ったときは情報がなかったんです。情報といえば福島県立医大で測定していた空間線量のデータぐらいで……。3月22日にスピーディの結果を見て、ありゃーと」と述べるのだ。

よくも「情報がないのに」ヨウ素剤は不要と言えたものだ。

また、広範囲に広がる高線量を知って「ありゃー」だと。なにが「ありゃー」だ。

で情報がないのになぜ「不要」としたのかについて、こう述べている。

「日本の原発はフィルターがついていると思っていた。放射性物質があんな広範囲に広がっているとは思わなかった」

この発言、にわかに信じられない。

フィルターって、爆発すればフィルターもへったくれもないだろ。

それと「あんなに広範囲に」って、山下は誰よりもチェルノブイリ事故の実態を知っていたはずだから、なにを見え透いたことを言ってるんだろ。

以上は現在、朝日新聞に連載の「プロメテウスの罠」を参考にしたものだけど、この取材を担当した麻田真衣は、かなり突っ込んだ、いい仕事をしている。敬意を払います。

同じ朝日にも、またその他のメディアにも、いろんな人がいるものです。

(参考資料・引用『朝日新聞』朝刊、「プロメテウスの罠」「医師、前線へ22」「聞く度に話変わった」2013年11月9日)

2013年11月8日金曜日

えっ、先月22日、柏市南部クリーンセンターで爆発事故? 当市在住だが、きのうまで、まったく知らなかった……

きのう11月7日、10月22日に柏市南部クリーンセンター(清掃工場)で爆発事故が起こっていたことを「真実を探すブログ」(*)で知って、驚いてしまった。

毎日新聞やNHKなどで報道されたようだけど、ほんときのうまでまったく知らなかった。

南部クリーンセンター(南増尾)は我家からクルマで5分、歩いても20分くらいのところにある。工場の周囲は広い公園になっており、原発事故前は犬の散歩でよく利用していた。

事故後、線量を測ると0.5マイクロシーベルト以上のポイントがいくつもあって、子ども連れの人に「けっこう高いですよ」と線量計を見せた覚えがある。

で、この工場、放射性物質を貯めているんだよね。

【引用開始】

市は「爆発時、数人の職員は中央制御室にいて、爆発のあった場所は無人だった。外部への放射能の影響もない」としている。周辺住民には29日に回覧板で通知しており、1日には住民代表らに原因と対策について説明する。市は「早急に操業を再開したい」としている。(『毎日新聞』清掃工場:爆発で焼却停止 放射性物質飛散せず 千葉・柏 20131101日 0730分)

【引用終了】

おいおい、22日に爆発事故があって、それから7日後に回覧板で通知って、どれだけ遅いんだよ。しかも、回覧板かい! これなら江戸時代のほうが早いだろ。

さらに、この事故が毎日新聞のウェブで報道されたのは11月1日だ。

市は爆発で放射性物質を含んだ灰が飛び散ったが、外部には飛散していないという。

だが、たとえ外部へ漏出していなくても、この工場にはかなりの放射性物質が貯めこまれているわけで、ことの重大性を考えればすぐ住民に広報するべきだろう。

でも、これって、柏市だけの特異なケースではないよね。

福島を中心に東北・関東・北陸・信越・中部など放射能汚染された地域は、除染などで集めた土・埃、ガレキ、枯葉・雑草・剪定樹木などに含まれた放射性物質が貯蔵されている清掃工場や施設がいくつもある。

もしこれらの場所で、何らかの事故や事件、災害等が発生すると、大量の放射性物質が環境に放出する危険性があるわけだ。

除染といっても、放射能が消えるわけではなく、それを特定の場所に集めたにすぎない。

そして、その場所が、あらたな危険ゾーンとなるわけだ。

今回の柏市の例であきらかになったように、その安全管理や広報態勢は甘いというかずさんそのものだ。

一家に一台線量計持って、住民みずから常時監視しないと、知らないうちに大量被曝なんてことも十分に考えられる。

いやいや、ほんととんでもない時代になったもんだ……。

*「真実を探すブログhttp://saigaijyouhou.com/blog-entry-1139.html

 

2013年11月7日木曜日

「ぜひ逃げ出すことのないように。事故による被曝は地震国で原発立国を進めてきた日本の宿命です」山下俊一

2011年3月18日といえば、原発が爆発し、日本中が放射能の恐怖に慄いていた渦中だ。

その日、福島県立医大の大会議室で、ある講演会が開かれた。

集まったのは、被曝医療に携わる300人の職員。

テーマは、火急に選択が迫られた「安定ヨウ素剤の必要性」である。

講演者は山下俊一長崎大教授。

そして彼は、ヨウ素剤の摂取は必要でないと、その使用を否定する。

さらに、こう付け加えた。

「ぜひ逃げ出すことのないように。事故による被曝は地震国で原発立国を進めてきた日本の宿命です」

いったいいつ、日本は「原発立国」になり、ぼくたちはこんな「宿命」を背負わされたのだろうか。

この言葉に、山下俊一という人の全人格が表現されているのではないか。

そして、そんなパーソナリティを有した者が、この日以降、福島の人たちの被曝医療の中枢を担うことになる。

(参考資料・引用『朝日新聞』プロメテウスの罠、医師、前線へ20「ヨウ素剤信仰だ」2013年11月7日)

 

2013年11月6日水曜日

「原発重大事故に備え、被曝医療の拠点病院」って、再稼働するから被曝を覚悟しろ、ということかい

きのう5日の朝日新聞の巻頭を見て、ひっくり返った人も多かっただろう。

なんと、大見出しが「被曝医療に拠点病院」「政府方針 原発重大事故に備え」だよ。

つまりこれ、「再稼働」と「重大事故」と「被曝」を前提にしているわけだ。

ひっくり返るでしょ。ついでに、ハラワタも煮えくり返るでしょ。

これから原発を稼働させるので、重大事故が起こることがあり、起これば被曝するので、そのために被曝に対応できる医療体制整えておく、ということだ。

で、いったい、いつだれが、再稼働を了解したの?

いつだれが、重大事故を容認したの?

いつだれが、被曝することを承諾したの?

原発のために被曝して、全身に重篤な症状をかかえたり、がんになったり、死んだりしなくちゃならないの?

また、被曝することを避けて、長年住んでいた所から逃げなくてはならないの?

再稼働に、国民の圧倒的多数は反対している。原発は極めて危険なものだと考えている。

福島原発事故以前は、原発は絶対に安全です、と東電もその他の電力会社も、国も、自民党も、高らかに言い放っていたよね。

重大事故が起こる確率は、隕石が原発にぶつかる確率より低い、とか言ってなかったっけ。

仮に事故が起きても、四重五重の防御装置があるから、放射性物質が環境に放出することは絶対にない、なんてこともね。

チェルノブイリ事故では、ソ連(当時)の技術は未熟で、高度な技術力を誇る日本では起こらない、とさんざん聞かされたぜ。

福島事故以前は「絶対安全」と言わないと、地元住民や世論を納得させることができなかったからだ。

そう、だから「絶対安全」という「原発安全神話」が捏造されたのだ。この神話がないと原発は動かなかった。

ところが、史上空前の巨大事故が起こって、無残に「安全神話」が原発建屋もろとも崩壊すると、こんどは「放射能安全神話」だよ。

1ミリシーベルトどころか、20ミリ、いや御用学者のなかには100ミリだって大丈夫とまで言い出したよ。

そして、ここにきて、ついに「重大事故に備え、被曝医療の拠点病院」だ。

あのね、原発という、発電プラントのために、なんでこうまで「備える」必要があるの。

単に電気を作る装置だよ。

電気を安全に、無害に、安く作れる装置って、いくらでもあるんだよ。

で、なぜ、原発のために、重篤な病気になったり、逃げ出したり、莫大な費用を国民が払ったり、十万年以上管理したり、地球生物の絶滅まで危惧しなくちゃならないの?

原子力発電ほど愚かな装置ってあるのかな。愚の骨頂の典型だろ。

その愚を原子力ムラに引っ張られた政府が、国民を置き去りにして突っ走っているよ。

2013年11月5日火曜日

原発事故の出費は国民が支払い、料金値上げで国民からせしめた1千億は東電の懐へ、ってこと?

最近の新聞記事を見ると、原発事故の出費は国民が支払い、料金値上げで国民からせしめた1千億は東電の懐にいただきます、って読めるんだけど。

いったいぼくたちは、どれだけ政府と東電に愚弄されつづけるんだろう……。

2013年11月4日月曜日

なぜ東電は1千億もの利益が出るのか? なぜ原発はまた必ず爆発するのか? 本書を読むとその訳が理解できる。

『原発ホワイトアウト』(若杉冽、講談社)

本書がすごく売れている。

それは表紙帯の衝撃的なネーム(惹句)にある。

「現役キャリア官僚のリアル告発ノベル‼」

「原発はまた、必ず爆発する!」

まさに、キャッチーそのものだ。

著者は現役の、しかも経産省官僚では、と憶測される。

経産省といえば、原発を推進する政治経済部門の中枢である。

そう、原発利権の甘い蜜を舐めまくり、おざなりの安全対策と検査で未曾有の巨大事故を招き、巷間では原子力ムラ、原子力マフィアと呼ばれる、その本丸だ。

原発事故渦中においては、対策現場から真っ先に逃げたとされるのが経産省職員である(船橋洋一著『カウントダウン・メルトダウン』に、その「事実」が明記されている)。

そんな経産省とおぼしき現役官僚が、実際にこれまで起きた「事実」をベースに、自民党政権に交代後の再稼働へ向けた、電力会社幹部や経産省官僚のウラの動きを実にリアルに描写している。

たとえば「ネット工作員」の実態の暴露も。

本書が売れているのは、単にそのキャッチコピーの衝撃性だけでなく、「現場」を知らない者にはけっして語れない、その中身の衝撃性にある。

そう、迫真に満ちた数々の生々しい事例の暴露だ。

そして、本書発刊以降に起きた事実、たとえば驚天動地の「東電1千億利益」も、本書を読むことによって、それがどうやればそうなるのか見当がつくのである。

さらに「原発はまた、必ず爆発する!」という超驚天動地も、それがフィクションではなく、ノンフィクションとして読むことができる、からにちがいない。

日本の原発は、福島原発事故を教訓にしたから世界一安全だ、と世界に向けてぬかす輩がいる。

そいつが世界一のホラ吹き野郎であることも、本書が教えてくれるだろう。

「……不満を持つ官僚や記者の圧倒的多数は、鬱屈したエネルギーをひたすら蓄積している隠れキリシタンのようなものだ。息をひそめ、それぞれの官庁で、我慢しながら働いている」

そうであるなら、我慢などしないで、どんどん告発してもらいたい。

第二、第三の、いや第百、第千の「若杉冽」の輩出を期待する。

それが日本を、世界を、いや未来の人類をも救うことになるのだから。

視界不良のホワイトアウトに、ともに光を灯そう……。