いいかい、放射能は生物に障害を与える、地上最凶の「毒」なんだよ。人のありとあらゆる器官に悪影響を及ぼし、ガンを招き、そして死に至らしめる……。
一度、確認しておこう。
放射性物質はどんなに微量でも、人体に悪影響が出る可能性がある。
たとえ健康診断で撮る胸部の、あるいは虫歯検査のX線撮影でさえ、放射線を浴びることは、身体を障害するリスクがあるのだ。
これは全世界の専門家の常識だ。こんなことは敢えて言わなくてもいいほどの、全人類の普遍的な諒解事項である。
だから、こんな危険なものは、環境にむやみに露呈されてはいけない。なので、厳重に管理にされてきた。
そして、もし環境に漏洩したら、たちどころに警察や関係省庁が捜査・調査に入った。
ただし、2011年3月11日までだ。
福島原発事故以来、大気中といわず、河川、山野、港湾、海洋と、いたるところに「死の放射能」が、新たに撒き散らされているが、もうまったく捜査は行われない。
どうして、これらの関係監督官庁が、職務を放棄するのか、わけがわからない。
たとえば警察は、法的基準値を超えた放射能汚染水が漏れていることを東電が発表した21日の前夜、東京西麻布のクラブが未明にダンスや飲食をさせた「容疑」で捜索し、その経営者ら4人を逮捕しておるのだ。
ダンスをさせたら逮捕され、猛毒をばら撒いても逮捕どころか捜査もされない。
いったい、警察の捜査の判断基準ってどこにあり、だれが決めるのだろうか?
ダンスのどこに、犯罪性があるの?
いま西暦2013年。ここは日本だよね。ヨーロッパ中世の暗黒時代に生きていないよね。もしかしたら、この時代のヨーロッパに集団でタイムスリップした?
福島第一原発の周辺及び、ここから放出される放射性物質に関して、いったいいつから捜査権が及ばなくなったのか。
もしかしたら、原発事故と放射能汚染に関しては無政府状態なの。治外法権?
東電の役員や幹部、原子力ムラのメンバーは、アンタッチャブル(不可触民)?
さて、こうも毎日、大量の放射性物質が環境に放出された事実を見聞きすると、ともすれば、ごく日常のあたりまえの出来事のように感じてしまう。
その危険性にたいする感受性がマヒしてくる。
だが近い将来、しっかりと晩発性障害として、そのツケをぼくたちが、そして子どもが、乳児が、支払わされることになることを忘れてはならない。
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