しかし、それにしても、こんな人物が、福島200万県民の健康と命に関して重大な影響を与えていたなんて……。
いまとなっては取り返しがつかないのだが、よくもこんないいかげんな根拠で、住民の安定ヨウ素剤の服用を否定したものだ。
山下のヨウ素剤をめぐる発言を見てみよう。
2011年3月18日、福島県立医大の講演でヨウ素剤不要を説く。
ところがである。
「福島に入ったときは情報がなかったんです。情報といえば福島県立医大で測定していた空間線量のデータぐらいで……。3月22日にスピーディの結果を見て、ありゃーと」と述べるのだ。
よくも「情報がないのに」ヨウ素剤は不要と言えたものだ。
また、広範囲に広がる高線量を知って「ありゃー」だと。なにが「ありゃー」だ。
で情報がないのになぜ「不要」としたのかについて、こう述べている。
「日本の原発はフィルターがついていると思っていた。放射性物質があんな広範囲に広がっているとは思わなかった」
この発言、にわかに信じられない。
フィルターって、爆発すればフィルターもへったくれもないだろ。
それと「あんなに広範囲に」って、山下は誰よりもチェルノブイリ事故の実態を知っていたはずだから、なにを見え透いたことを言ってるんだろ。
以上は現在、朝日新聞に連載の「プロメテウスの罠」を参考にしたものだけど、この取材を担当した麻田真衣は、かなり突っ込んだ、いい仕事をしている。敬意を払います。
同じ朝日にも、またその他のメディアにも、いろんな人がいるものです。
(参考資料・引用『朝日新聞』朝刊、「プロメテウスの罠」「医師、前線へ22」「聞く度に話変わった」2013年11月9日)
1 件のコメント:
はじめまして.
私のブログに転載させて頂きました.コメントの方法が判らないので,ご連絡できませんでした.このコメントも受付けてもらえるかどうか?
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