安定ヨウ素剤の服用について、長崎大教授の山下俊一、そして放医研(放射線医学総合研究所)の緊急被ばく医療研究センター長である明石真言が大きな影響を与えた。
そのふたりが「いま思えば、飲ませていればよかった」と答えている。
このことについては、もう取り返しがつかないことだし、彼らが置かれた立場から重大な失態であり、その責任を追及されなければならないだろう。
ただ、ここでもうひとつ重要な問題が浮上する。
いま、彼らがヨウ素剤を飲ませるべきだったと認めるということは、被曝した住民の健康状態(とくに甲状腺)が憂慮される、ということである。
であるなら、なぜ子どもたちの健康状態について、もっと徹底した検査が行われないのだろうか。
それは福島県だけにかぎらず、放射性物質に汚染されたすべての地域住民、とりわけ子どもたちに必要なことではないか。
すでに被曝が原因と疑われる甲状腺異常が、福島や東北、関東などの子どもたちに見られる。
チェルノブイリ周辺地域では、原発事故後、4年5年以降から増大し、10年以上経っても、甲状腺がんをはじめ、数多くの被曝障害に苦しむ子どもたちがあとを絶たない。
この事例を日本が教訓としないことなどありえない。
兎にも角にも、子どもの健康はまもらなくてはならない。
(参考引用資料『朝日新聞』「プロメテウスの罠」「医師、前線へ23」「消えたファクス」2013年11月10日朝刊)
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