けさ(4月23日)の朝日新聞連載「プロメテウスの罠」は、「根こそぎ奪われた」という見出しである。
この記事は「福島県浪江町では原発事故後、松本英之のほかにもう1人が自殺している。赤宇木(あこうぎ)の男性だ。 男性は昨年11月、避難先から自宅に戻り、包丁で腹を刺して死んだ。58歳だった。遺書はなかった」で始まる。
これでこの地区からふたり目の自殺者である。
親族は、「原発事故さえなければ自殺なんかしなかった」と言う。そしてこの地区の住民は男性の自殺についてこう口にした。
「あれの自殺は、これは最大の抵抗だ。切腹して死んだ思いを、私たちは大切にしなければいけない」 (長老)
「彼の死は原発への抗議だ」(区長)
「人間には、耐えられる限界というものがある。それを考えて、行政も対応していかないといけない」(馬場町長)
この地区の線量は馬場町長いわく「推定年間200ミリシーベルト」。原発は人をそして住空間を殺した。
さて、ぼくたちは割腹自殺した男性の思いを大切にするにはどうすればいいのだろうか。それは原発を即刻やめることだろう。福島に原発がなければ、彼は自殺する必要はなかったのだから。
1 件のコメント:
小生もプロメテウスの罠はほとんど目を通している。今、政治、官僚、財界全て死んでいるようなものだ!
あそこまで大事故を起こして、まだ推進しようとしている裏の構造を暴くジャーナリストは居ないのか?それが解れば、きっと目が覚めると思うのだが、一向にそのような空気が生まれないのが残念でならない。
使用済み核燃料の後始末も出来ていないのに、安全と言い張る根拠が不明で、停電してもいいのかと脅迫する神経が全く理解出来ない。
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