けさ、新聞を読んでいて、わが眼を疑いました。
きっと、あなたも疑うでしょう。
それはこんな一節です。
「がんは予防できることを知っていますか。まずは、たばこを吸わないこと。子宮頸がんなどワクチンで防げるがんもあります。そして、大事なのが検診を受けること」
どうでしょう。
このことばは、あきらかに子宮頸がんワクチンは効果があること、その脈絡からその接種をすすめていますよね。
こんな発言をしたのは、向原徹・神戸大特命准教授。専門は腫瘍内科学と記されているので、がんの専門家なのでしょう。
しかしそれにしても、現在、子宮頸がんワクチンの副作用(専門的には副反応)で苦しんでいる多数の少女がいるのに、そんなことをひとことも述べずワクチンを推奨しているのに驚きます。
厚生労働省が報告した、子宮頸がんワクチンの副作用は1196件あり、その内106件は重篤なもので、「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」も結成されました。
ではこのワクチンを接種した予防効果はどうかというと、これがきわめて怪しいのです。
このがんの原因とされるウイルスは15のタイプがあり、このワクチンはその内の2タイプにしか効き目がなく、接種した人の50~70%にしか効果がありません。
さらに日本人に多いウイルスのタイプには10%程度の効果だとされています。
しかも、子宮頸がんウイルス説を否定するものや、ワクチン接種が逆に子宮頸がんの発生リスクをたかめるという報告もあるのです。
ちなみに、厚労省のリーフレット(2013年6月)では「子宮頸がんの約半分は、ワクチン接種によって予防できることが期待されています」と表現します。
いかにも、お役所らしい、自己に責任が及ぶことを避けた表現ですが、「半分の期待」なのです。
あくまで「期待」で、「予防できる」と断定していません。
また同じリーフで「現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません」と、かなり微妙な表現を使っています。
そして、こんな子宮頸がんワクチンをめぐる社会的状況下で、それをすすめることを高校生に向けて発したのです(奈良県立大淀高校「看護・医療コース」特別授業)。
この授業は日本対がん協会と朝日新聞社が主催する「ドクタービジット」というもので、そう、あの中川恵一(東京大医学部准教授)もたびたび講師をする、いわくつきのものです。
子宮頸がんワクチンの副作用の被害が大きな社会問題となっていることを、腫瘍内科学の医者が知らないわけがないでしょう。
それにしても、なぜこんなとき、こんな「疑惑のワクチン」をすすめるような発言をあえてするのでしょうか……。
(引用参考資料『朝日新聞』2014年1月12日朝刊「ドクタービジット がんを知る」)
2 件のコメント:
10万人の地方都市ですが本日確認した内容です。
近くの開業医待合室には市が中学生と高校一年生にはこのワクチンを無料で受けられるように補助をしていますとの張り紙がしてありました。
また、製薬会社(グラクン・スミスクライン)の大きなポスターが二枚張り出して有りワクチン接種でガンが予防出来ると書いてありました。
コメントありがとうございます。
そうですか、無料で接種って、自治体が製薬会社とタッグを組んでいるんですね。
無料って、この費用は税金から捻出されているわけですから、ひどい話です。
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