きのう21日、福島県の18歳以下を対象に実施された甲状腺検査について、環境省と福島県が専門家による意見交換会を開いた。
福島県立医大の鈴木真一教授(甲状腺外科)は、「がんが見つかった子どもの年齢分布も10代後半が多く、若年齢が多いチェルノブイリとは異なる」などの理由から、これまでに見つかったがんや疑いについて「被曝の影響とは考えられない」とした。
いっぽう、岡山大の津田敏秀教授(疫学)は、10代後半~20代前半の甲状腺がんの年間推計発生率は、「平均(1975~08年)は100万人当たり5~11人」であるのにたいして、「福島の子どもの甲状腺がんの発生は数倍~数十倍高く、多発と言える。今後さらに増える可能性もあり、今のうちに対策をとるべきだ」と述べた。
福島県で実施された甲状腺検査の対象となったのは18歳以下の23万9千人で、その内59人ががんかその疑いがあるという結果が出た。
この福島県の発生率を求めると約4051人に1人となる。
全国平均は100万人あたり5~11人なので、福島県のがん発生率は飛びぬけて多いことがわかる。
このデータを見れば、津田教授が指摘するように「被曝の影響によるがんの多発」を考えてとうぜんだ。
また、そうであるなら、福島県だけではなく、東北や関東など放射能汚染にさらされた地域にも同様の検査をおこなうべきだろう。
それと、被曝の影響は若年層の甲状腺異常だけではない、ということも留意しておきたい。
被曝の影響を「子どもの甲状腺」だけに焦点化させることで、それ以外の被曝障害について眼を逸らそうとする意図がうかがえるからだ。
これは日本の専門家の一部がチェルノブイリ調査でやった「実績」がある。
東電福島第一原発事故による放射線障害の影響をできるだけ低く見積もる、あるいはなかったことにする動きはこれからもずっとつづくだろう……。
1 件のコメント:
元枝野官房長官の発言された「直ちに健康被害は出ない。」の直ちにの期限が切れたようですね。
コメントを投稿