2012年3月23日金曜日

原発の安全性について政治判断することはカテゴリー・エラーである。

【ただちに危険だ! 原発通信】№48


民主党というか、野田政権の中枢部の諸君。いいかげん原発再稼働にまつわる猿芝居をやめてはどうか。諸君がたくらむことは、日本はおろか地球的規模で破滅に陥れることを知ってのことか。

原発再稼働の決定は政治判断するだと? バカも休み休みいいたまえ。原発の安全性と政治判断とは命題の次元が異なる。典型的なカテゴリー・エラーだ。そもそも今回の福島の原発事故もカテゴリ・エラーがまねいてのことである。東電が原発の安全よりも経済、つまり金儲けを優先したためのことだ。

大規模な地震と津波が起こることは想定内のことだし、そして起これば地下にある非常用ディーゼル発電が波にのまれることは周知のことだった。それなのに、設備投資に金がかかるということで安全をないがしろにした結果が今回のフクイチ事故だろ。

企業の経済性と原発の安全性、そして原発の安全性と政治判断とは範疇がなじまない。このそれぞれの両者は優先順位が異なる。原発の安全あっての経済性であり政治判断なのだ。安全がプライオリティの最上位になければならない。そう、命あってのものだねだもんね。

原発が爆発して、膨大な死の灰と呼ばれる放射性物質が巻き散らされているときに、東電の企業利益も野田政権の政治判断もくそもない。人間がそこに安全に住めての企業利益であり政治だろう。

ちなみに、4号機の燃料プールに亀裂が起きれば、東電本社がある新橋や国会議事堂がある霞が関にいる人も生息できないだろう。そんな状況下では企業利益も政治も存在しないのだ。

枝野といい、細野といい、テレビカメラの前では、東電の企業姿勢はゆるせない、あるいは住民を被ばくから守るなどという言辞を弄する。さも国民サイドにたったかのようなポーズをとる。だけど一方では、原発推進・再稼働や放射性がれきの全国拡散に猛進する。

この手法は例の八ツ場ダム建設再開の前原が演じた猿芝居と同じだよね。民主党政権の八ツ場ダム建設再開にたいして、前原はマスメディアの前では反対したが、もうこれがポーズであることはみえみえだった。

枝野、細野、前原が国民の怒りをガス抜きをしつつ、危険きわまりない原発を再稼働し、自然災害や経済性にとってまったく意味のないダム建設を正面突破する。

だがどうして、こんなにも民主党政権は愚かなのか。こんなことをしていては、つぎの選挙で政権を失うことは目に見えている。民主党がもし政権を維持したければ、その施策はきわめて明確だ。

原発即時廃止。そう脱原発を明確にして、そのロードマップを鮮明に国民の前に示せばいいだけのことだ。そうすれば内閣支持率はV字回復するだろう。

原発にまつわる経済性をいうなら、原発推進や原発輸出より廃炉や放射能低減、再生可能エネルギーなどに関係する技術を世界に先駆けて開発すればいい。経済合理性に鑑みても、そうあなたたちの大好きな金儲けのためにも、脱原発のほうに分があるよと言っておるのだ。

ベクトルを「推進」から「脱」にすれば、国民の健康と生命は担保され、政権は維持でき、日本経済は立ち直る。民主党よ、いまからでも遅くない。政権を維持したければ脱原発に鮮明に舵をとれ。まあ、そうすることは、ほとんど期待してないけどね。

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