●定時降下物環境放射能測定結果(暫定値)(第80報)福島県計測、文科省発表
http://kafun.taiki.go.jp/datahyo.aspx
3月15日の福島市の空中線量と花粉のデータを合わせてみたら驚くことでしょう。どちらもこの日、数値がぐんと跳ね上がっているのだから。もしかしたら、セシウムを含んだスギ花粉の飛散が線量を高くしているのではないかと危惧した。もちろん、これはあくまでぼくの「危惧」であり、ぼくの推定に過ぎず、正確な科学的根拠はない。
そこでぼくは文科省原子力災害対策支援本部に電話で3月15日の福島市の空中線量が高くなったのは、花粉が原因ではないかと訊ねてみたのだ。するとその返答は「あるとも、ないともいえない」。まあ身も蓋もないこと、このうえない。
ただ、文科省のホームページには「……被ばく線量の低減や一般的なじん埃の吸入量低減の観点から、土ぼこりが舞うような風の強い日に外出する際は、マスクの使用や帰宅後のうがいなどに心がけましょう」という記載があり、電話で応対した文科省の担当者もそのように言っていたので、花粉が飛ばない季節でも放射性物質が降下した地域の住民はマスクやうがいはしたほうがいいだろう。
もちろん東大アイソトープ総合センターが16日の記者会見で「現時点では花粉から(放射性物質が)検出できるレベルではなかった」と発表したことは知っている。だけど、ほんとうに放射性物質を含んだ花粉が人体に影響を与えないか半信半疑だ。東電、政府・官庁、マスメディア、学者、そして東大が発信するメッセージに、「はいそうです」と素直に肯けないのである。いままで散々痛い目にあってるからね。
だから、いろいろなデータを集め、必要とあれば文科省へ直接電話取材するわけだ。ぼくは東大の研究所が安全と発表しようが、僕自身の自衛手段として、3月に入ってから外出時はN95高性能防護マスクとゴーグルを装着している。ちょっと目立つが、ぼくを見る人は花粉症にひどく悩まされている者と思うだろう。でもぼくは花粉症ではない。放射能防護なのだ。
ぼくの子ども時代には花粉症というタームは存在しなかったし、放射性物質から身を守るためにマスクをする時代がくるなんて、ほとんどの誰も考えもしなかっただろう。ぼくたちはやれやれと溜息がでる時代に生きている。
なお、官庁関係に質問があるときは直接電話してみるといい。意外と親切に対応してくれる。ぼくは仕事柄、ちょっとしたことを訊きたいときはすぐに役所に電話する。『天皇家の食卓』では宮内庁に、『横綱の格式』では同じく文科省に電話で直接取材した。
役所のやり方に疑問や苦情、質問があるときは、がんがん電話すればいい。あくまで僕たちが彼らを雇っているのだ。その逆ではない。この場合のモンスターはこの列島のコミュニティをよりよくする。ただし、あまり感情的にならず、もし怒りの感情があるなら、それを理路整然とした言語に置き換えて質問したほうが効果的だろう。
ちなみに文科省原子力災害対策支援本部の電話番号は03(5253)4111で内線4604、4605。なぜ、SPEEDIのデータを去年のフクイチ事故のとき発表しなかったのか、ということも訊けば答えてくれるだろう……。その答えに納得するかどうかはあなたしだいだけど。
2 件のコメント:
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
全国の国民が電話をかけたとしたら、限られた職員で仕事している役所がパンクするのではないでしょうか。
彼らには他にもしてもらわなければならない仕事がありますよね。
それを効率よくしてもらうように事実を聞き出したり公表するのがジャーナリストの本分ではないでしょうか?
むやみに電話をかけて聞き出せという意見には賛同しかねます。
私としては、緊急時に事実を知りながらも国民に危機を報道しなかったマスメディアの方により不快感を感じています。
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