2011年4月3日日曜日

福島原発事故に関して№6

いまだに福島第一原発は予断をゆるさない状況がつづいています。
放射性物質の大気への汚染、農作物や水など、人が口にするものへの汚染、さらに海への大量の汚染と事態は悪化の一途をたどり、そう信じたくはないのですが、最悪の結末も想像せざるをえない状況です。

いま私たちが最も求めるのは、この状況への正確な情報です。それを発信する責務を負うのは、東京電力であり、保安院であり、政府であり、原子力関係の専門家であり、研究者であり、マスコミのはずです。ですが、残念ながら、この国のこういった関係各所は事態がここまで切迫しているのにかかわらず、放射性物質汚染の濃度や拡散地域などを早急に報告しようとしていません。

その理由として真っ先にあげられるのが、「パニック防止」であり、「風評被害」です。

もちろん筆者もそのことを十分念頭においたうえで、こういったことを述べています。「オオカミ少年」を肝に銘じながら。

しかし、正確で迅速な情報が発信されないほうが、「パニックや風評被害」を呼び起こすものなのです。

どうも「パニック防止」や「風評被害」を逆手にとって、住民に必要な情報をだしていないのでは、と穿った見方もしてしまうほどです。ですが、いつまでもこんな情報操作のようなことをやっていると、人はそこから発信される情報を信用しなくなります。そして、ついには「逆オオカミ少年現象」となって、より大きなパニックや風評被害を呼び起こすかもしれません。

事実、私の周囲には関東圏から疎開した知人が何人かおり、また東京にとどまっているものの放射能汚染への心配から、かなりの精神的ストレスをかかえる知人もいます。

1986年に旧ソ連においてチェルノブイリ原発事故が起こり、その放射性物質の飛散範囲は全地球に拡大しました。その放射能汚染濃度地図は新聞などでも発表されています。それによりますと、チェルノブイリ原発周辺30キロ圏内を中心に、200キロから300キロエリア、また700キロ離れた高濃度汚染エリアもあります。

とうぜん、このチェルノブイリ原発事故と今回の福島原発事故とを比較するわけです。そして、こういう結論に達します。関東一円は300キロエリアにすっぽりと入る。そしてこれはヤバいと。

私はこの現状を完全なるサバイバル状態だと認識しています。できれば、みんなと一緒にサバイバルしたいと思っています。ですから、こうやって自分の確信のもてる範囲で私なりの情報を発信しているわけです。けれども、危険な地域から避難し、健康や生命にとって安全な場所を確保するのは、最終的には個人の判断だと思うのです。

そうです。300キロ圏外へ、あるいは700キロ圏外へ避難するかどうかを選択するのは、最終的には個人の判断にかかっており、個人の責任だと考えています。

私は東電や保安院、政府、原子力関係の専門家、マスコミの発表を頭から信用しません。こういったところの多くの者が、「原発は絶対に安全だ」と断言しつづけていたわけですから。もちろん判断材料にはします。ですが、どう自分が行動するのか、それは自分自身の責任においてやるということです。

私はまだ200キロ圏の千葉県柏市に居ます。ですが、もし成長期の子供が家族にいれば、120パーセント「圏外脱出」を実行していたでしょう。そう700キロ圏外へ。

今後、福島原発の状態と風向き次第で、人が半永久的に住むことのできない地域が生まれます。(ちなみに、猛毒の放射線であるプルトニウムの半減期は2万4千年です)もちろんそうならないことを祈るばかりですが、その可能性は十分にあります。

私はこの原発事故を「人類史的犯罪」と考えています。(人が半永久的に住めない地域をつくりだすという、だいそれた悪行をこう呼ぶしかありません。また、いつか機会をみて述べますが、実は原発は「安全」に運転していても、日々刻々とそうなる可能性を増大させているのです)

その犯罪の加害者は、もちろん東京電力であり、日本政府でありますが、こういった原発建設や稼働をゆるしてきた日本の社会人すべてにもあると考えます。とうぜん、私も、そのひとりです。30年間、ずっと原発に反対してきましたが、それを言い訳に責任を免れようとは思いません。

しかし、子供には何の責任もありません。そしてそんな子供たちが、より深刻な放射線被害を受けるとはなんと皮肉なことでしょう。私たちは子供を守る責務があります。できるかぎり安全な地域へ、子供と妊婦を避難させようではありませんか。心からそうお願いします。

*下記のアドレスは京大原子炉実験所の小出裕章氏の「原発の危険な話」です。チェルノブイリと福島の比較を研究者の立場から述べられています。
http://www.youtube.com/watch?v=a6sVZA1wMRU&feature=related

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