2010年10月22日金曜日

北極に暮らす日本人イヌイットの笑顔とNHK

きのうNHKのBShi で「ビデオ日記 地球最北の家族~日本人イヌイット親子三代~」 を観た。10月 6日に放送されたものを録画したものだ。
この男親子の笑顔がものすごく素敵だった。あんな笑顔が魅力的な人をこれまでいちども観たことがないような気がする。
オットセイやトナカイ(だったかな?)の海獣や渡り鳥を狩猟することで生きてゆく家族の姿を、7、8歳(?)くらいの息子の生長と、それに北極の自然の変化と合わせてドキュメンタリーで追ってゆく番組だ。
ぼくは人の笑い顔の表情に、その人のパーソナリティのおおよそすべてが表出すると75パーセントくらい本気で考えている。この番組に登場していた親子3人は、かなり幸福な人生を歩んでいる人にしかない笑顔にまちがいない。

ぼくたちは千数百年前まで、ほとんどのイヌイット(もちろん日本人の祖先としての)が狩猟採集民だったけれど、もしかしてむかしのぼくたちが狩猟採集民をやっていたころって、あのテレビで観た親子のような笑顔をもっていたのだろうか。もしそうであれば、むかしのぼくたちはものすごく、そうあの親子のように幸福だったのかもしれない。

たとえば、あの親子3人が、いまの日本で暮らしていたら、あんな笑顔はほぼ絶望的に無理だという気がする。いまふっと思ったのだが、ぼくたちはそんな時代の記憶がほんの微かだけど残っているような気がした。それにしても、なぜ、ぼくたちはあの笑顔をうしなってしまったのだろうか。

ところで、最近テレビと録画機を買い替え、ほとんどの番組を録画してから、こちらの都合のいい時間に観るようになった。そうなって、録画するのは映画とNHKの番組が大半で、ゴールデンの時間帯に放送されている民放の番組はほとんで観なくなった。お笑い系のバラエティも観ることもあるけど、その大半はたまたまチャンネルをペチペチ切り替えているときに映っても、なにか遠い世界の出来事を観るように、冷めた眼で傍観してしまう。

それにしてもテレビはどうしてあんなに通販番組が多いんだろう。まあ、テレビ会社は不況でスポンサーがつかないから、即、売上に結び付く通販会社に安いコマーシャル料金で売っているのだろう。
しかし、それにしても限度があるだろう。地上デジタルもかなりこの手のCМが増えたけど、もうBSなんて、時間帯によっては、ほとんどの民放がみんな通販番組を流しているもの。公共の電波を独占使用して、あれはないんじゃないのかな。

こんなテレビを観ていると、テレビはもう終わってるなと思う。みんなテレビってそんなに観ていないのでは。とくに若者というか、10代後半から40代前半くらいは、ほとんどテレビを観ていないような気がする。観ていても以前とくらべてかなり視聴時間が減っているはずだ。それは周囲の人たちを見てもそうだし、それにあの番組作りはほとんどが50代後半以降の高齢者をターゲットにしている。
また番組として商品を紹介したりする、いわゆるパブリシティ(パブ)がよく目につく。新聞はパブ広告のときは[広告]という文字を表示することが義務付けられているけど、テレビはCM枠ではなく、番組のなかに[広告]と表示しないでパブをそれとなく挿入させている。

もう、民放はなりふりかまわず経費節減、売上増に邁進しているけど、このままでは民放はだれも観なくなるのではないだろうか。新聞も広告が入らず、購読者も減少して汲々しているけど、あと10年もしないうちに、民放(スポンサーを付けた無料放送)と新聞(紙の宅配型)は姿を消しているかもしれない。テレビも新聞も、けっして嫌いなわけではないけど、その確率はかなり高いのでは。

ところで、録画するテレビ番組のほとんどは、映画をのぞいて、NHKのドキュメンタリーだ。製作費と時間をたっぷりかけて、かなりいい番組を作っている。NHKの制作陣は、同じ表現者として敬意をはらっている。

だがしかしである。いい番組を作るのと、あのNHKの受信料システムとは別の問題である。もちろん潤沢な製作費があるから、あのような良質の番組を多く作れることはまちがいないのだろうが、あきらかに現行の受信料徴収システムはまちがっている。

もしこのままの受信料徴収システムを続行するのであれば、テレビ受像機を販売するときには、これはNHKの受信料がかかりますと表示すべきである。BS放送が始まれば、その料金を別にとり、またワンセグの携帯電話をもつだけで、家族と離れて暮らす学生にも受信料を徴収するという。BSやワンセグの機能が付いたものを販売するときには「NHKの受信料がかかります」と表示すべきである。

でも、こういうNHK受信料の徴収のやりかたって、暴力団の「所場代」と同じシステムではないだろうか。いや、前者のほうがアコギなような気がする。もし、ぼくの言うことがまちがっていたら、だれか教えてくれませんか?

それとこれとは話がちがいますけど、あの北極に暮らす親子3代のNHKのドキュメンタリーは良かったし、あの笑顔も最高だった。あの親子3人と番組制作者に満腔より拍手を送りたいと思います。

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