東京電力福島第一原発事故が発生した一昨年の3月11日当時に18歳以下であった3人が甲状腺がんと確定診断され、摘出手術がおこなわれた。また7人に甲状腺がんの疑いがある。
この10人の平均年齢は15歳で、男性3人、女性7人。
これは平成23年度の3万8千114人の小児甲状腺検査によって判明したものだが、この内5.0㎜以下の結節や20㎜以下の嚢胞(のうほう)を認めたA2判定が1万3千459人(35.3%)、また5.0㎜以上の結節や20㎜以上の嚢胞を認めたB判定が186人(0.5%)だった。
さらに24年度の検査では、9万4千975人が受け、その内4万1千398人(43.6%)がA判定、548人(0.6%)がB判定されており、この検査データから、今後ますます深刻な事態が危惧される。(資料:福島県「甲状腺検査の結果概要①」)
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/250213siryou2.pdf
福島県はこの検査結果に「被曝の影響は考えにくい」と説明しているが、著しく信憑性に欠けるものだ。
なぜなら、子供の甲状腺がんの発生率は100万人に1~2人程度であり、今回の約3万8千人中3人のがん(さらに7人が疑い)の発生は桁違いの発生頻度を示しているからだ。
今後、被曝による健康被害の拡大が予想されるが、福島県や政府、それにマスコミ、御用学者などによって、被曝と健康被害の因果関係をあいまいにしたり、否定する動きがあるだろう。
また、この検査はあくまで放射性ヨウ素の被曝による甲状腺がんの被害に限定されたものだ。
セシウムをはじめストロンチウム、プルトニウムなどの放射性核種による被曝の人体への影響もつよく懸念される。
ちなみに、このブログでも紹介したが、「胎内被曝した子どもの健康児は2.5%」というキエフ内分泌研究所(http://akiba1.blogspot.jp/2012/05/blog-post.html)などの検査データがあることも考慮すべきだろう。
危惧された被曝障害がいよいよ現実のものになってきた。
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