2013年2月7日木曜日

またひとり、原発事故で人が殺された。それでも東電・政府・原子力ムラの責任は問われない……。

福島第一原発の事故で郡山市から避難していた男性が、避難先の東京都江東区の公務員宿舎東雲宿舎で亡くなった。

男性は放射能の影響から逃れるため自主避難しており、一人暮らしの独身だった。49歳の死である。

死因は虚血性心疾患。

この死は「原発によって殺された」ものではないか。そう、東電・日本政府・原子力ムラによる。

まず、原発事故がなければ男性は単身で避難しなかったし、そうであれば孤独死はなかったはずだ。

またストレスが虚血性心疾患の原因にもなる。福島県からの東京への単身での避難生活はストレスフルにちがいない。

さらに虚血性心疾患は原発事故による被曝(セシウム137)の影響が考えられる。

ベラルーシ出身の病理解剖学者バンダジェフスキーの研究によって知られているように、セシウムは被曝によって心臓・腎臓・肝臓・甲状腺・胸腺・副腎などの臓器に集まり、障害を起こすことが解明されている。

とりわけセシウムは心筋細胞に蓄積しやすく、心筋細胞融解・筋線維間浮腫・筋線維断裂などが引き起こされることが明確に証明されている。それが不整脈や心筋障害などを引き起こし、虚血性心疾患の原因となる。

この男性の病理解剖はされたのだろうか。福島の原発事故による放射能の影響をすこしでも受けた可能性がある人の内臓疾患による死は、すべて司法解剖すべきだ。

バンダジェフスキーがおこなったような病理解剖を、日本政府や司法の責任において実施する必要がある。なぜなら、この男性の心筋からセシウム137が発見されれば、ただちに殺人事件となるからだ。

毒が散布され、それが原因で人が死ねば殺人事件が成立する。オウム真理教による毒ガス(サリン)散布で、多数の死傷者が出たのが殺人傷害事件となったように、とうぜんのことである。

この東雲宿舎では一昨年にも、浪江町から避難した40代の男性が心臓疾患で突然死している。

これらの「死」は、氷山の一角かもしれない。まだまだ多くの避難生活者が原発事故によって殺されたのではないか。

いまだ原発事故によって16万もの人が避難生活を余儀なくされているが、早急な健康調査が求められる。もう、これ以上の殺人をゆるしてはならない。

(参考資料:朝日新聞「都会に独り、避難者の死」2月7日朝刊)

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