ぼくはこころから、そう思います。こんなことを言うと、社会のできごとに無関心の人は、「えッ?」ってびっくりするでしょうね。
マザーテレサの「愛の反対は憎しみではなく、無関心である」っていう、有名なことばがあります。とすると、無関心の人って、愛のない人っていうことになりますか。
もし、あなたが、「わたしって、無関心かも」って、ちょっと自分のことが気になったら、この本を開いてみてください。
すると、空恐ろしい原子力発電所が日本中に50基以上できたのも、史上最悪の福島原発事故が起きたのも、人体に危険な超大量の放射性物質が生活環境にばらまかれたのも、多くの人の無関心に付け込んだことが原因になっていることがわかります。
そう、あなたの、わたしの無関心が、原発事故で16万もの人が原発難民となって住まいをうしない、福島ほか数千万人が住む東北・関東・中部一帯に「死の灰」を降らせたのです。
そしてなにより、無関心なあなたこそ、最大の被害を受けるのです。だって、無関心を決め込むってことは、その事実を知らないってことを意味するのですから。
たとえば、食べものと内部被曝のこととか。無関心の人は、放射能の危険性を知らないから、平気で内部被曝をまねく食べものを摂ってしまいます。
ほら、無関心のあなたはまったく無頓着にきのこを食べ、牛乳を飲んでいるでしょ。そうそう、つい最近、関東の回転寿司のいわしからセシウムが出たっていうことも知らないでしょ。
また、無関心の人は、こんな事実も知らないはずです。いま26年前に起きたチェルノブイリ周辺の住民たちに大変な健康障害が起きています。
ウクライナの子供78%(!)が慢性疾患にかかっており、ウクライナの485人の生徒がいる学校では、内分泌疾患や骨格異常の生徒が多くて、正規の体育授業を受けるのはたった14人しかいないのです。
この事実というかデータに驚愕しませんか。成人だって油断できないのです。ここ数年前から大人の甲状腺障害が激増しているからです。
内部被曝の多くは被曝してから数年、十数年、数十年たって発症する晩発性という特性がある、ということも無関心のあなたは知らないでしょう。
しかも、これはけっして他人事ではありません。福島の原発事故を体験した日本にいる住人は、チェルノブイリ周辺のウクライナやベラルーシの人に起きていることを体験する可能性があるからです。
ね、無関心って、無関心なあなた自身が真っ先にヤバいでしょ。
この本を開いた見返しにこんなことばが載っていました。
一番の問題は原発の問題に対して、「無関心」なことだと思う。
――ぼくも、こころの底からそう思います。
―GENPATSU TALK MESSAGE―
発起人・吉良さおり(キラジェンヌ代表)他著
発行・キラジェンヌ
定価1000円+税
小出裕章、藤波心、吉原毅、飯田哲也、佐藤潤一、藤田芳和、香山リカ、おしどりマコ、杉田かおる、保坂展人、武田邦彦、福島瑞穂など32人から、「無関心」なあなたへの愛を込めたメッセージ集。筆者(秋場龍一)も「殺人放射線はファウルボールのように」というタイトルで寄稿しました。
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