2012年9月19日水曜日

目先の金のため、軍事的野心のため、99%の人が犠牲となって。

きわめてあいまいだけど野田政権が、「2030年代に原発ゼロ」「もんじゅ廃炉・核燃料サイクル廃止」を打ち出そうとすると、経済3団体の頭目、福井県知事、青森県議会、東京都知事、米・英・仏政府、IAEAなどが、ぞくぞくと反対や懸念、抗議を表明した。

この「表明」とは、原発ムラの国民にたいする恫喝である。

電気料金は2倍になるぞ、CO2は増えるぞ、雇用が守れないぞ、使用済み核燃料を搬出するぞ、とそれはそれはなりふり構わない脅しである。

経団連会長の米倉弘昌にいたっては、「原発ゼロは国益を損ねる」という。よく言うよね。原発ゼロは原子力ムラ及び、ムラの有力メンバーである住友化学(米倉はこの会社の会長)の利益を損ねる、が本音だろ。

その他の「表明」も、ムラの一員である自分たちの利益をもらい損ねることへの悲鳴にすぎない。

まあ、なかには、ムラへのアイデンティティよりも、核兵器能力を維持したいがために原発推進の旗をふる、軍事オタク願望のほうが強い知事や某政党党首候補もいるけどね。

これだけぞくぞくと「表明」が報道されれば、それはマジョリティの声だと錯覚するかもしれない。だが、だまされてはいけない。彼らは多数派ではなく、全体の1%に満たない圧倒的な少数派だ。そう、あくまで「ムラの代表」にすぎない。

たとえば、経団連、日商、同友会の経済3団体の声明を、マスコミは「経済界から原発ゼロに懸念の声」などと報道する。さも経団連会長の発言が、日本の経済人を代表しているかのようだ。だけど経済3団体は、経済界すべてではなく、経済界一部の代表にすぎない。

事実、経済界全体では脱原発派のほうがはるかに多い。ちなみに脱原発や減原発の経営者が400人も集まった「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」が3月に発足した(7月31日の「ねごと」を読んでね)。

経済界というと大企業をイメージするかもしれないが、街中の八百屋、魚屋、クリーニング店、喫茶店などを営む個人商店のあるじも、零細企業の経営者も、確固とした経済界の一員である。

ムラが発する、ことばのイメージや修飾に惑わされてはいけない。

彼らは、小さな子供、赤ん坊、これから誕生する未来の人びとの健康や生命のことなど、これっぽっちも気にしていない。

原発が爆発して大量の放射性物質が環境にまき散らされても、福島第一原発の事故処理に数10年以上要しても、10万年以上管理が必要な核廃棄物が滞積してその処分場が見つからなくても、そして福島の子供たち(3万8千人以上)の36%に甲状腺異常(増殖、のうほう、しこり等)が見つかっても、それでもその原因となった原発を稼働させようとする。

ただ1%の人のために、ただ目先の金のために、ただ軍事的野心のために、99%の人たちが犠牲となって原発は推進される……。

 

 

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