2012年9月27日木曜日

来春、伊方3号機が手始めか。田中俊一が規制委員長に就任早々、再稼働へ着手


「早ければ来春にも原子力発電所の再稼働が決まる可能性が出てきた」「政府のストレステスト(耐性調査)ですでに「妥当」と評価された四国電力伊方3号機などが有力候補だ」と日経(2012/9/26 23:48)が報じた。
 
田中俊一は誰もが認める原子力ムラの大幹部である。その田中が原子力規制委員長に就任するや、さっそく何の臆面もなく大々的な原発再稼働へ動きだした。
 
まず、来春に四国電力伊方3号機のほか、北海道電力泊1、2号機、九州電力川内1、2号機が再稼働の有力な候補に挙げられた。
 
「原子力規制委員会の田中俊一委員長は26日の記者会見で、新しい安全基準の骨格を今年度末までにまとめる考えを示したうえで、その時点で基準を満たす原発の「再稼働を考えたい」と述べた」(日経・同日)
 
原子力ムラも、おらが原発利権のためなら、もうなりふりかまわず1日でも早くどんどん再稼働させたいのだ。
 
「ストレステスト」で「妥当」というが、この調査で妥当と判断したのは、旧経済産業省原子力安全・保安院である。

保安院は原発を推進し、未曾有の原発事故を起こした国の機関だ。そんな胡散臭い、原子力ムラの巣窟が耐性調査したもので「妥当」としたのである。
 
これが裁判なら、加害者被告が裁判長を兼ねるということではないか。真っ当な民主社会では認められない、まさにアンフェアの典型だ。
 
原発を再稼働することは、再び原発を爆発待機状態にすることであり、第二のフクイチ事故を準備することである。
 
そして、 原子力規制委員会の事務的機能をはたす原子力規制庁が20日から本格的な業務を開始したが、この規制庁のメンバーも委員会と同様、驚くほどひどい。
 
中国新聞は9月20日の紙面で「原子力推進官僚ずらり 規制庁が始動」という見出しで、こんな記事を載せている。

【引用開始】

  経産省審議官から、原発事故などに対応する緊急事態対策監になった安井正也氏(54)。資源エネルギー庁原子力政策課長だった2004年、原発の使用済み燃料を地中廃棄する費用を試算したのに「試算は存在しない」との国会答弁を作成したとして、厳重注意処分を受けた人物だ。

 審議官3人のうち、文部科学省出身の名雪哲夫氏(53)は核燃料取扱主任者の資格を持ち、旧科学技術庁の原子力局に勤務した経験がある。桜田道夫氏(53)は東大工学部原子力工学科卒で、エネ庁勤務が長い。住民訴訟に対し、国の立場で原発の安全性を主張した原子力発電訟務室長だったこともある。
  残る1人の山本哲也氏(52)は経産省原子力安全・保安院から。東京電力福島第1原発事故には首席統括安全審査官として対応した。文科省とともに米国が提供した原発周辺の放射線分布地図を放置した問題で今年6月、「情報が共有されず、住民の避難に活用されなかったのは誠に遺憾だ」と記者会見で謝罪した。

 規制庁ナンバー2の次長には、内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室長として規制委や規制庁の設立に関わった森本英香氏(55)が就いた。地球温暖化対策で原子力を重視してきた環境省が出身母体だ。
  このほか、初代長官には前警視総監の池田克彦氏(59)が就任。原子力地域安全総括官の黒木慶英氏(54)も警察庁出身だ。ともに警備部門の経験が長く危機管理への期待から起用されたが、市民団体関係者からは「デモの規制で本領を発揮するのでは」との皮肉も。

 黒木氏は改革準備室副室長として3日、滋賀県の原子力防災専門委員会に招かれた際、規制機関の在り方について「原子力に反対する人も入るのは、日本の場合、考えにくいのでは。一定の結論を導き出す議論ができるのか」と発言。委員から注意を受け、その場で陳謝したばかりだ。
  規制委や規制庁の設立経緯に詳しい海渡雄一弁護士は「電力会社のとりこになった規制行政から脱却できる人事とは到底思えない。これで『原発は安全だ』『再稼働を』と言われても立地地域の住民は安心できないだろう」と話している。

【引用終了】

この面子は、原発を促進し、再稼働抗議デモを規制するための寄せ集めであることが明白だ。
 
これで、原子力規制庁を名乗るのは詐称ではないか。正しくは、原子力促進脱原発デモ規制庁だろう。

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