2013年6月19日水曜日

高市早苗的感性と知性が原発を動かす。たとえ原発事故犠牲者を冒涜してでも……

「事故を起こした東京電力福島第一原発を含めて、事故によって死亡者が出ている状況ではない。安全性を最大限確保しながら活用するしかない」

「原発は廃炉まで考えると莫大なお金がかかるが、稼働している間のコストは比較的安い」

どうだろう、この発言をした高市早苗という人間の「感性」と「知性」は……。

原発事故による避難の過程ですくなくとも千数百人(※)が亡くなった。
 
津波で生存者の捜索中に原発が爆発、救助活動は断念され、救える命がみすみす奪われた。

生業である農業や牧畜を放射能汚染で放棄しなければならず、そのため自殺した人がいる。
 
福島県の子供の甲状腺異常やがんは平均値の百倍以上。
 
放射性障害が疑われる脳疾患や心臓疾患による死亡者が東北や関東などで急増。
 
そして原発事故による数千万の被曝者が晩発性障害(がんや重篤な病)におびえている。
 
こんな実情を知っての「原発事故で死亡者はいない」発言である。
 
廃炉に莫大な金がかかり、稼働しているとコストは安い、というのだが、いつかはかならず廃炉しなければならないわけだから、稼働してコストが安いとは意味が結びつかない。
 
そう、完全なカテゴリーエラー。
 
この二つの発言は、原発の「活用」と「稼働」に向けられている。
 
原発事故による犠牲者を冒涜しても、意図的な範疇錯誤で白を黒と言い包めても、どうしても自民党政調会長は原発を動かしたいのだ。
 
また、義偉官房長官は、この「死亡者はいない」という高市発言を問題なしとした。
 
政府自民党は高市発言を公に認知したということである。
 
こういう「感性」と「知性」が、原発を稼働させるということをよく覚えておきたい。

※細野豪志「1383人。福島県内で二年間に震災関連で亡くなった方の数です。その多くは避難所への移動中の疲労、避難所での生活の疲労など原発事故によるものです」(18日ツイッター発信)

この「1383人」という数字をはじめて見た。これ、マスメディアに出た? それにしても驚くのは、「こんなに多くの人が」ということ。こんなデータをつかんでいるのなら、もっと早く発表しろよ。

 

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