2010年10月31日日曜日

ピークエクスペリエンスと無境界

本日の金言……3

『無境界』
ケン・ウィルバー著、吉福伸逸訳、平河出版社、1986

われわれの日常的自覚は、あまり意味のない一つの島のようなものである。その周囲はいまだ地図のない想像を絶する意識の大洋に囲まれている。日常的自覚を大洋から隔てる珊瑚礁には、絶え間なく波が打ち寄せる。ところが、突如として、珊瑚礁を越えた波が、広大な未踏の真の領域、意識の新世界の知識で自覚の島を洪水にすることがある。(p012

 このケン・ウィルバーの言葉は美しく、深く、そして神秘的だ。しかし、この意識の「洪水」は、いつ、だれに、どこで、どのように浸されるのか、検討はつきにくいのだけれど、しかしその可能性はいつだって秘めている。そう、現に、このぼくにさえ。
 ぼくは中学2年の部活卓球の特訓のときに「ピークエクスペリエンス」という、すべてが「一つ」であるという、いわゆる合一体験をした。相手バックサイドを強烈に切り裂く強打を放った瞬間、自分と周囲のものは一つであるということを感得するとともに、14歳のその日まで味わったことのないエクスタシーに包まれたのだ。
 ピークエクスペリエンスは「ゾーン」とか「フロー」と呼ばれる体験と似ており、その味わいかたは人によって違うけれど、「日常的自覚を越える洪水の波」と共有化される体験だ。
 ピークエクスペリエンスなど、日常的自覚を越えた「珊瑚礁を越えた波」について、これからおいおい述べていきたいと思っている。

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