2012年7月31日火曜日

実は経済界も脱原発が多数派だった。経団連は経済界ではなく原子力ムラの代表にすぎない。


朝日新聞が月、月に全国の企業100社に「5年以上先を考えた場合、原発をどうすべきか」という質問をしたところ、こんな返答があった。

「早期の脱原発をめざす」が2社、「無理なく減らす」が40社あり、「一定割合を維持」の22社をダブルスコアに近い差で圧倒したのだ。

経団連の米倉弘昌会長がやたらと原発促進メッセージを発するので、日本の経済界は「国民の生命よりも、金儲けかい」と呆れていたのだけど、どっこい、そんな欲ボケオヤジは少数派だった。なんだ、経団連って、単なる原子力ムラの圧力団体にすぎないんだ。

この調査から、まっとうな企業人のほうが多いことが分かったので、ほっとした。そして、それを裏づけるようなニュースもある。

脱原発や減原発の経営者が400人も集まった「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」が月に発足した。世話役代表は「鈴廣かまぼこ」(神奈川県)の鈴木悌介副社長が務め、原発依存から自然エネルギーへの転換を指向する。

いま、日本の消費者の眼はものすごくシビアだよ。原発促進派企業は、不買運動の嵐に見舞われることを覚悟したほうがいいだろう。賢明な企業人は、会社の存続、発展のためにも、「脱原発」にとっくにシフトしている。(参考資料・朝日新聞731日「教えて!エネルギー5」)







2012年7月29日日曜日

「脱原発国会大包囲」20万人集まる! 歴史的な参加者数!

わあ、すごい、すごい! ものすごい人だ!
 

午後7時25分ごろ、国会議事堂前の歩道と車道の一部に警察の規制で閉じ込められていたデモの人たちが、とつぜん大通りにあふれだし、圧倒的な人びとの海で埋め尽くされた。

主催者の「首都圏反原発連合」が発表した参加者はなんと20万人!

【映像】国会包囲デモ、歩道規制が決壊し車道に人が雪崩れ込む瞬間


この歴史的なデモに、中日新聞(2012729 2217分)はつぎのように報じた。

【引用開始】
「脱原発デモ、国会を包囲」

東京電力福島第1原発事故を受けた抗議行動「脱原発 国会大包囲」が29日夜、東京・永田町で行われた。参加者はろうそくやペンライトを手に「原発反対」「子どもを守れ」などと訴えた。

 首相官邸前での抗議を呼び掛けてきたネットワーク「首都圏反原発連合」の主催。参加者は、東電本店前やJR新橋駅周辺をデモ行進した後、移動。人波は国会議事堂を取り囲み、集会があった正門前は一時、歩道からあふれ道路を埋め尽くした。参加人数は主催者発表で、デモと国会包囲合わせて20万人。警視庁関係者は1万2500人としている。

 家族5人で霞が関の日比谷公園からのデモに加わった横浜市の団体職員高松良成さん(34)は「デモに参加したことがないので、興味があって来た。原発はそもそも危険なもの。東京で使う電気を他県で作っているのがおかしい」と話した。

 集会では、ルポライターの鎌田慧さんが「大成功です。原発に賛成の議員は国会を去ってほしい」と声をからした。与野党の国会議員ら十数人がマイクを握り、「われわれ政治家にも責任がある」「再稼働の流れを止めたい」などと述べた。

 これに先立ち、同日午後3時半から日比谷公園で行われた集会では、作家の落合恵子さんが「この猛暑でも電力は不足していない。原発をゼロにし、再稼働も輸出も止めましょう」と呼び掛けた。
【引用終了】


2012年7月28日土曜日

【7.29脱原発国会大包囲】なにがなんデモ!

緊急大拡散お願いします‼


【拡散希望/7.29脱原発国会大包囲】7/29(日)日比谷公園中幸門15時半集会、16時デモ出発、19時国会包囲!(主催:首都圏反原発連合)官邸前抗議の拡大版!全国からのご参加を!リンク先の「ツイート」ボタンで情報拡散にご協力下さい!→国連絡会 他http://coalitionagainstnukes.jp/?page_id=648

2012年7月27日金曜日

3.11以後、心疾患による死因が14.6%増加(厚労省「人口動態統計」)。このデータが意味するものは?

昨日26日、厚生労働省の「人口動態統計月報(概数)平成24年2月分」が公表された。http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/m2012/02.html

この報告は、昨年(2011年)と今年の1月と2月の人口増減と死因等を調べたもので、昨年の「3・11」以前と以後の死亡数や死因の実態を知ることができる。

そう、福島第一原発から放出された超大量の放射性物質が、人の健康と生命にどれだけの影響を与えたのかを知る貴重なデータになりうる。

この月報で注視したのは「死因別死亡数」。この数値を見て、その意味することに戦慄をおぼえる人もいるだろう。月報の「結果概要」の(2)と(3)をご覧いただきたい。

(2)死亡数は、前年同月に比べ12695人(12.5%)増加(表1)。

(3)主な死因別死亡数は、悪性新生物が前年同月に比べ2066人(7.7%)増加、心疾患が前年同月に比べ2585人(14.6%)増加(表2)。

つまり、この数値は、3.11以前よりも死亡数が12.5%増加、死因の心疾患が14.6%増加を示している。

「心疾患」による死亡の突出した増加は、何を意味しているのか。

ベラルーシの医学研究者ユーリ・バンダジェフスキーは、チェルノブイリ事故で被曝、死亡した患者を調べ、放射性セシウム心疾患を引き起こすことを臨床的に実証した。

セシウムは心臓などの筋肉に蓄積しやすく、急性心疾患や先天性心疾患、小児心臓病(不整脈、動脈硬化)の原因となるのだ。この研究を裏づけるように、チェルノブイリ周辺住民の健康調査では、事故から20年以上たって心疾患が急増している。

そこで、3.11以後の死亡数と心疾患の増加の原因について、厚労省に電話で問い合わせてみた。

この月報の担当者は、「死亡数の増加は震災の影響」「心疾患の増加は東北の死因データが震災の影響でまとまって出たため」と言った。

たしかに、震災の影響は否定できない。だが、この突出した数のすべてが震災かどうかは判然としない。この月報の数値が、すべてフクイチ事故の被曝によるものとは断定できないが、否定することもできない。

重要なのは、今後公表される、この「人口動態統計月報」を注視することである。

それと公的機関の「原発事故による被曝と健康被害・死亡原因」の調査であろう。しかし、厚労省や文科省、経産省など国の役所にはとても期待できない。

なにより切望するのは、日本の医療従事者、医師・研究者の臨床疫学的調査・集計・報告である。いまこの国に必要なのは、より多くの「バンダジェフスキー」である。

この国の、そして地球のすべての子供の健康と生命のために。

2012年7月25日水曜日

「15%案」のワナ。再稼働とは原発を「爆発待機状態」にすることである。

政府は2030年までに原発の割合をどれだけにするのか、8月末までに決めるという。その選択肢として提案されたのが「0%」「15%」「20~25%」の3つの案だ。そのために国民から意見を聴くというのが、例のあの「聴取会」である。

まず、そもそも0%以外の選択肢を加えることは、政府がこれまで述べてきた「脱原発依存」と完全に矛盾する。脱原発を本気で実現するのなら、まず0%が前提にあって、そこからどういう手順で0%、つまり脱原発を可能なものにするのかを指向すべきである。

これでは、「脱原発にしますか、それとも現状維持か、それ以上にしますか」というもので、政府は「脱原発依存」なんてまったく決めていないことになる。

この3つの選択肢のなかで、政府がねらっているのは、まずまちがいなく15%だ。聴取会は、この15%案への茶番シナリオである。すでに細野原発大臣が5月の段階で「15%がベース」と公言しているのもそれを裏づけている。

では、この15%案なるものは、いかなるものか。

フクイチ事故が起こる以前の2010年まで、原発による発電量は26%とされていた。よって2030年までに15%にするというのは、ただちに「脱」とはいえないが「減原発」であり、脱原発への前進である……というような見方をされるかもしれない。

ところが、この15%案には、国民の目をあざむくトリックが仕掛けられている。

実は15%の稼働率にするには、建設中の島根原発3号機と大間原発の新設が必要とするのだ。では、そのトリックとはどういうものか。それはつぎの新聞記事で十分だろう。

原発事故前の2010年では、原発は国内電力の26%を占めていた。当時もトラブルなどがあって、原発の稼働率は7割ほどだった。

経産省の試算では、廃炉を進めて原発を減らし、2030年で15%にした場合、原発の稼働率は8割に上げなければならず、現実には難しい。現実的な7割の稼働率で15%にするには、新たに原発を1~2基つくらなければならない。(朝日新聞7月25日「教えて!エネルギー1」)

どうだろう。15%なるものは、日本にある既存の原発50基を再稼働させ、おまけに新たに2基増設してはじめて15%に達するという数値なのだ。しかも、2030年に15%にしても、その後の原発のエネルギーに占める割合はまったく決まっていない。

15%はワナだ。原発を現状維持して、2030年以降にはもっと増やすたくらみがある。

国民の圧倒的多くの声は「即時0%」「即刻廃炉」である。2030年まで、あと17年以上も原発を稼働させるのも、「寿命40年廃炉」も考えられない。「いま、ただちに危険な原発やめろ」である。

事故が、地震が、津波が、テロが、いまこの瞬間にも起こらない、とは誰も断言できない。

すくなくとも、これだけは史上最悪の東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓としたい。

再稼働とは、原発を「爆発待機状態」にする、ということである。


2012年7月22日日曜日

再稼働をめぐる会話。菅「あなたは国民の怒りの対象になっている」野田「え、そんなことに」

民主党の菅直人氏は名古屋市の講演で、大飯原発再稼働に関して、つぎのような会話を野田首相と交わしたことを明らかにした。(参考資料:朝日新聞7月22日)

菅「野田さん、あなたは国民の怒りの対象になっていますよ。分かっていますか」

野田「え、そんなことになっているの」

この野田の返答に、ぼくは「え、そんなことわからんのかッ」と絶句しながらツッコミを入れた。野田の頭って「え、そんなことになっているの」とこっちがボケたいわ。

この野田という男、鈍いのか、とぼけてんのか。鈍いのなら、どんだけ鈍感なんや。とぼけてるのなら、どんだけ悪党なんや。

ま、どっちにしても、こんなとんでもないオッサンに、国政の長や原発の稼働を任せてる場合やないよ。

以下は想像だけど、ぼくの質問にニッポン国首相は、こんなことばを返すんだろうな。

秋場「野田さん、4号機が傾いていますよ。分かっていますか」

野田「え、そんなことになっているの」

秋場「野田さん、大飯原発や志賀原発の直下に活断層があると専門家が指摘していますよ。分かっていますか」

野田「え、そんなことになっているの」

秋場「野田さん、再稼働しなくても、夏場でも電気余っていますよ。分かっていますか」

野田「え、そんなことになっているの」

秋場「野田さん、福島や関東の子供たちの尿から放射性セシウムが検出されていますよ。分かっていますか」

野田「え、そんなことになっているの」

2012年7月21日土曜日

【7.29脱原発国会大包囲】巨大デモで野田政権をぐるぐる巻きにして廃炉を実現しよう!




【7.29脱原発国会大包囲】

日時:2012年7月29日(日)
(※悪天候の場合は中止)

集会開始:15:30

デモ出発:16:30

19:00:国会包囲(集会 /キャンドル・チェーン)

集合場所:日比谷公園中幸門(日比谷公会堂裏)
千代田線・日比谷線「霞ヶ関駅」C1出口より200m、
丸の内線「霞ヶ関駅」B2出口より300m、
都営三田線「内幸町駅」A7出口より150m

主催:首都圏反原発連合 
-Metropolitan Coalition Against Nukes-

協力:さようなら原発1000万人アクション
原発をなくす全国連絡会
ザ・アトミックカフェ
脱原発世界会議
WISE Amsterdam

お問い合わせ:info●coalitionagainstnukes.jp (●を@に差し替えて送信ください)
取材問い合わせ:press●coalitionagainstnukes.jp (●を@に差し替えて送信ください)

2012年7月20日金曜日

活断層が直下にあるとされる大飯・志賀原発の調査を電力会社に指示する経産省副大臣って……

大飯原発敷地内に活断層がある可能性が高いと専門家が指摘したが、牧野聖修・経済産業副大臣は19日、「活断層ではないのだろうが、念には念を入れて安全のために再調査したい」と語った。

専門家の調査に、専門家でない経産省副大臣が「ない」となぜ言えるのか。

おまけに、再調査を指示したというのが関西電力である。

さらにこの副大臣、原子炉建屋直下に活断層がある可能性がきわめて高い志賀原発(石川県)の調査を指示したのも北陸電力だった。

もう民主党政府、いいかげんにしてよ。

こんなこと、世の中で通らないこと、あたりまえだろ。これでは加害者が裁判官をやるようなものだ。

千代田区「曇り・最高気温23度」の予報。絶好の官邸デモ日和。本日「デモキン」参ります!

きのうまであんなに暑かったのに、きょうは一転して涼しいですね。いや、千葉県柏市のわが家では、Tシャツに短パンでは寒いくらい。

ちなみに、わが家の玄関前の空間(地上1m)線量は0.130μSv/h、2階のこれを書いている部屋の机上は0.082μSv/h。ホットスポット・カシワに住む身として線量計は必需品です。柏市は無料で線量計の貸出や食品検査(数か月の順番待ち状態)もやってくれます。こうなったのも、住民パワーの威力です。

さて、きょうは金曜日。金曜といえば官邸抗議デモ。

雨がちと気にはなりますが、まあ絶好のデモ日和であります。まだ一度も官邸デモ経験ない人は、きょうあたりどうですか? このデモ、なかなかいいですよ。

ひどい様相を呈するこの国ですが、官邸デモに集まる老若男女を見れば、まだ捨てたもんじゃないと、すこしはこの国で生きていく勇気が湧いてこようってもんです。

そういえば、バブルといわれた1980年代後期は、金曜を「ハナキン」などと呼んでおりました。いまの若い人には信じられないでしょうけど、当時はどいつもこいつもあぶく銭をもって浮かれ、週末金曜ともなるとそれは遊び呆けたもんです。

それから20数年の時を経て、このニッポンは4つの原発が爆発、おまけに野田政権は再稼働させて爆発待機状態を50コもつくろうって魂胆です。

こんな現政権に、ふだんはいたって穏やかなこの国の住民たちも、さすがに怒り心頭で、毎週金曜になると首相官邸前に万余と抗議にやってくるようになりました。

名づけて「デモキン」ってとこですか。さあ、なにがなんデモ、行きますよ。

2012年7月19日木曜日

おお、こわっ!政府、東電からの住民への告知一切なしで、本日も4号機の核燃料取り出し


現在の時刻19日午後12時36分。

東電福島第一原発4号機の核燃料取り出し作業状況はどうなんだろう。

この燃料プールには1500本以上の核燃料があって、その放射能は広島型原爆の5000発分だ。もし、燃料棒をクレーンで引き揚げているとき、プールに落とすとか、強風が吹いたり、地震が起きてクレーンが倒れるとかしたら、どうなるんだろ? 

実際、建設現場で、この種の事故って、けっこう起きているもんね。それに爆発してボロボロになった4号機の建屋の上に、重たいクレーンなんか載せて耐久性はあるの? 

アメリカ軍がかつて空襲で落とした不発弾が見つかり撤去するとき、周囲の住民や報道機関に告知し、撤去現場一帯を立ち入り禁止にして、周囲の住民を一時避難させるよね。

今回のこの核燃料取り出しも、この不発弾処理と同じような告知がなぜされないのだろう。

もし、この取り出し作業をミスって、核燃料が爆発や燃えだしたりして環境に拡散すると、その影響力は不発弾の比じゃない。最悪、北半球が終わってしまうことすら懸念されるのに。

それなのに、なぜ東電と政府は、作業の時期や詳しい内容を国民に明らかにしないんだろ? 

また、こういう作業をやる作業員もたいへんだよね。とくにクレーンを操作する人なんて、どれだけのプレッシャーなんだろ。しかも、相当の被曝を覚悟でね。

無事、作業が終わることを祈るのみです。それにしても、東電と政府の態度にはアタマにくるぜ!


2012年7月18日水曜日

「首相が原発ゼロにしますと言わないと政権がもたない」官邸スタッフ

けさの朝日新聞はどの紙面も原発関連記事で埋まっていた。そのなかの政治面の一節に、オッと目を見張った。まずは、下の記事をごらんいただきたい。

その国民の声を聞く聴取会で、冒頭からつまずいた。官邸スタッフからは「首相が『原発はゼロにします』と言わないと(政権が)もたないかもしれない」との声も出始めている。(朝日新聞7月18日)

この記事の見出しは「原発聴取会「やらせ」批判 電力社員が「推進」意見」。そう、きのうこのブログで「全原発再稼働への茶番シナリオ「エネ聴取会」は博報堂が7854万円で落札 」と書いた、あの「聴取会」の関連記事である。

野田政権は15万から20万人集まる官邸前抗議デモや16日の脱原発集会にみられる、国民の「原発やめろ」の圧力にかなり追いつめられていた。

そして、今回の「やらせ聴取会」で、さらに国民の怒りの炎に油を注いでしまい、土俵際まで攻め込まれたのだ。

もう一刻も早く「原発ゼロ」と野田首相の口から明確に宣言しないと、8月中にも政権が倒れる緊急事態である。そんな官邸内の雰囲気に、思わず官邸スタッフの口が滑ってしまったのだ。

通常、こういう政権内部のネガティブな実態は堅くガードされている。にもかかわらず、このような「声」が一般紙の記者に漏れるというのは、政権の末期的症状を露呈するものだ。

全原発撤廃にあともうすこし。ここは脱原発のがぶり寄りで、野田政権の原発再稼働のたくらみを押しつぶそう。

くそ暑いけど、今週の金曜もまた官邸前抗議にいくぞ。29日の国会包囲デモにもいくぞ。

2012年7月17日火曜日

全原発再稼働への茶番シナリオ「エネ聴取会」は博報堂が7854万円で落札

これからの原発依存の比率(0%~25%)をどうするのかというエネルギー政策について、政府が国民から直接意見を聞くとされる聴取会(エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会)が各地で開かれている。

第2回目の仙台と第3回目の名古屋の聴取会で、抽選で選ばれたとされる一般市民の発言者9人のなかに、15日の仙台では東北電力幹部社員や原発促進団体関係者など、また翌16日の名古屋では中部電力の課長職社員が、原発推進(20-25シナリオ支持)を主張する発言をした。

この無作為抽選で選ばれたとしてはあまりにもふしぜんな電力社員の当選に、2日連続で会場参加者から抗議の声が噴出して会場は騒然となった。この聴取会なるもの、端から「出来レース」「猿芝居」「やらせ」とにらんでいた人も多かっただろうが、いざふたを開けてみれば、案の定「茶番シナリオ」だった。

原発依存率を2030年までに0%の0シナリオ、15%の15シナリオ、の20~25%の20~25シナリオという3つの選択肢を用意、これを公開の場で一般市民から意見を聴取して、最終的に政府がその意見をふまえて原発依存の比率を決定しようというもの。この3つの選択肢を見て、「中をとっての15%で決まり!」とすぐに読めてしまった。いくら茶番劇をやるにしても、もうちょっと創意工夫のあるプロットにしてみては、と逆にこちらが気づかってしまうほどのひどいシナリオ。

脱原発という世論にあって、野田政権の本音である原発推進をいかにはかるか、に頭を悩ませたうえでの今回の「国民的議論推進事業」なんだよね。この3つのシナリオのなかの、0シナリオを選択すると「経済的負担が重くなる」とか「中心市街地へガソリン車等の乗り入れ制限」など、ごていねいな脅しの注釈付きだ。もちろん、②③シナリオで原発稼働させると、福島原発事故のように膨大な死の灰と呼ばれる放射性物質が大地や海などの環境に撒き散らされる可能性がある、とは一言もない。

まあ興味のある人は国家戦略室エネルギー・環境に関する選択肢〔概要〕」http://kokumingiron.jp/を読んでください。

そして、ふと、この聴取会にかかる費用がいくらなのか知りたくなった。さっそく内閣府へ電話。聴取会の予算が知りたいと言うと、国家戦略室に電話が回された。するとそれは経産省資源エネルギー庁総合政策課が担当ということで、その電話番号(03-3501-1511)を教えてくれる。

そこに電話して「予算は?」と訊くと、「そちらのお名前は?」とぼくの名前を訊かれてしまった。職業上、何回も国や市町村の役所に電話をかけているが、名前を訊かれたのははじめて。

「秋場だが、そちらは?」「カワベです」人に名を訊くときは、自分がまず名乗ることが礼儀なんだよ、カワベさん(これは言わなかったけど)。で、オオバヤシさんという人が担当(不在で2時間ほどして再電話)で、その人がすぐにその費用が掲載されている資源エネ庁のホームページ(下記参照)を教えてくれた。

これを見ると、この聴取会は落札にかけられ、博報堂と電通が入札して、博報堂が78,540,000円で落札していたことがわかった。電通の入札した金額はなんと120,000,000円。両社の入札価格の開きがすごいよね。

入札業者が2社というのも少なくないかい。全原発再稼働への茶番「エネ聴取会」の博報堂落札価格は7854万円。この聴取会程度(11回開催)の催事で7854万というのも民間とくらべるとではべらぼうに高いのでは。それにしても電通の1億2千万は吹っかけすぎだろ。

この催事、3千万でも「よろこんで!」やる業者は多いだろうな。それでも粗利50%はあるはず。いくら儲かったのかな博報堂。こんな見え透いた茶番に7854万という税金を使うなら、福島原発事故で避難している人にまわしたほうが、どれだけ役に立ったことやら。



 入札結果に係る情報

平成24年7月17日

資源エネルギー庁

長官官房総合政策課 発注者
資源エネルギー庁長官官房総合政策課
調達件名及び数量
平成24年度電源立地推進調整等事業(革新的エネルギー・環境戦略の策定に向けた国民的議論の推進事業) 1件
入札公告日
平成24年6月15日
入札日
平成24年6月25日
契約日
平成24年7月2日
落札者名
株式会社博報堂
落札価格
78,540,000円(消費税込み)
予定価格
非公表
技術点の構成
基礎点 80点、加点 87点



 入札者の商号又は名称
入札価格(消費税抜き)
技術点の合計
総合評価点
株式会社博報堂
74,800,000
167点
― 点
株式会社電通
120,000,000
182点
― 点



http://www.enecho.meti.go.jp/info/tender/nyusatsukekka/1207/120717a.pdf

2012年7月16日月曜日

【速報】7.16集会。空前の規模の人が代々木公園に!山本太郎「これはひとつの事件です」


「さようなら原発10万人集会」

山本太郎、ヘリからリポート。

「これほどの人が集まったこと、それだけでひとつの事件と言っていいと思います」


2012年7月14日土曜日

週毎に激増する官邸前抗議デモ参加者。全国14か所でも開催。ひろがる脱原発「金曜抗議の輪」

再稼働反対、脱原発の官邸前抗議デモに、まだすこし痛みのある左足をかばいながら参加した。

現場である「財務省上」交差点に着いたのが午後6時過ぎ。すでにもう多くの人がいるぞ。おお、警官がやたら多い。これまであまり目につかなかった私服警官もかなり見かける。

「総理官邸前」交差点に向かおうとしたら、警官が行く手をはばむ。「首相官邸前は混雑しておりますので、ここから先には行けません」とさかんに警官が拡声器で参加者に指示している。もう、この時間から行かせないのか。なかには強引に渡ろうとする向こうっ気の強い初老のおじさんもいる。警官が必死に止める。

野田政権は、官邸前の財務省上から総理官邸前の2歩道・6車線の道路に抗議の参加者があふれるのが怖いのだ。あの先週・先々週の20万にも及ぶ人並みがもっとふくらんで、官邸前に接近することにおびえているのだろう。

仕方なく「国会正門前」の抗議ゾーンに移動。歩道にしばらくいて、6時半を過ぎたころから、どんどん人が増えてくる。

みんな、それぞれ独自のスタイルで抗議の意思を表現している。プラカードには、イラストやマンガをあしらい、「再稼働反対」「脱原発」以外に「命が大事、暮らしが大切。脱原発で行こう」とか「野田首相、あんたはいらない」など、抗議のキャッチコピーも、なかなか頭をひねった力作ばかりだ。

また左右の窓に「原発ヤメロ」と書いたポスターを貼ったスポーツタイプのクルマや、バイクに拡声器を取り付けた二人乗りの若者はマイクをもって「再稼働反対!」とシュプレヒコール挙げ、官邸の周囲を何度もまわっている。

ひとりでの参加から親子やカップル、職場やゼミ、サークルの仲間など、老若男女、さまざまな年齢層が、自分たちの意思でこの場に来ている。デモなんて初めて、という人が多いようだ。もうみんな、やむにやまれぬ、ということがひしひし伝わってくる。

こんな人たちを見ていて、ふっと日本でほんとうの市民革命が始まったのかな、という思いがよぎった。また、官邸前だけではなく、全国14か所でも抗議の集会やデモがあった。

「金曜抗議デモ」は、東京以外にも、これからどんどん全国に波及していくだろう。「アラブの春」につづいて「日本の春」も近いのかもしれない。

2012年7月12日木曜日

「官邸前抗議に警視庁が異例の規制」と夕方のTV報道。デモ拡大におびえる野田政権

 本日夕方のテレビ報道でテレビ朝日や日本テレビなどが「最大規模の反原発デモに警視庁が異例の対応です」と報じた。

「警視庁は、参加者のなかに病人などが発生した場合、救急車が通れなくなったり、交通事故の発生を防ぐため鉄製の柵を設置してデモを歩道に限定するなどの警備方針を発表しました。具体的には、国会周辺に7つのエリアを設けて、官邸前に人が止まらないよう誘導します。また、東京メトロと連携して車内放送でも協力を呼びかけるということです。警視庁によりますと、こうした警備方針を事前に明らかにするのは初めてだということです」(テレビ朝日)

警視庁は、デモ参加者の病人の発生などという見え透いた口実を挙げるが、官邸前の車道に参加者がひろがらないための規制であることはまちがいない。

先々週の20万人デモに参加した体験から述べると、人の数が多くて車道にあふれだして、警官の規制を超えてしぜんに6車線を満たしたのだ。

あそこで、警官がむやみに規制したら、逆にあぶなかっただろう。現に、警官も強固に規制しなかったもの。できなかった、といってもいいけど。いくら警官が規制しても、どうにもならない。逆に規制を強化するほど、狭い空間に多数の人の圧力が増して危険性がたかまる。だから、あす行われるという鉄柵の規制のほうが、けが人が出やすいだろう。

この規制発表には、大飯原発再稼働反対や脱原発のデモ参加者の激増に怖れをなした野田政権の窮状がかいまみえる。野田や仙谷、枝野、細野などは、このまま参加者が増えるのが怖くてしかたないのだ。そのための予防的な規制である。

規制や弾圧が強くなるということは、それだけ抗議デモが政府に圧力を加えているということだ。抗議デモ、大いに効果あり、だ。

それに、この抗議デモは結果的には、原発を推進する野田政権の閣僚個人やその家族、原子力ムラの住人、デモ規制のお巡りさんも助けることになるんだよね。原発が吹っ飛ぶと、原発の利権や天下りなども吹っ飛んじゃうんだから。抗議を受ける者も救うことになる、という変な構図ではあるけどね。

それに福島原発で出動した警察官や消防官など、救出や原子炉への海水注入、交通規制などで、どれだけ被曝したことやら。

この官邸前抗議デモをつづけていくと「原発廃炉」への光明がみえてくる。これが、いまぼくがひとつ確実にいえることだ。みんな、がんばろうぜ!


朝日新聞「原発銀座となった福井県南部は活断層の密集地帯だった」

けさ12日の朝日新聞科学欄(「「適地」のはずが活断層密集」)記事に驚いた。それはこうある。

原発銀座となった福井県南部は活断層の密集地帯だった」

この一文が、科学欄の国際宇宙ステーションやヒッグス粒子の記事と同じ扱いでさらっと並んでいるのだ。

おいおい、この記事、重要度からすればトップ巻頭ぶちぬき大見出し扱いだろ。いや、号外を100回出しても足りない。テレビ各局は緊急速報と特番だろ。パンダの赤ちゃんが死んだと速報を流している場合ではない。

「原発銀座」とは、敦賀発電所に2基、美浜発電所に3基、大飯発電所に4基、高浜発電所に4基、もんじゅに1基、計14基の原子力発電所が集中する原発密集地のことで、活断層とは大規模地震を起こす発生源である。

この記事は複数の専門家が認めたはっきりとした事実なのだ。

今年4月、国による日本原子力発電敦賀原発(福井県)の調査で、直下の断層が動く可能性を専門家が口々に指摘した」(朝日新聞同記事)

「直下の断層が動く」とは、「大地震発生」を意味する。いま、この瞬間にも、大地震が福井県の原発密集地に起こるかもしれない、ということだ。

それはどういうことを意味するか、もう誰にでもわかる。そうジ・エンド。地球滅亡である。これはSF的連想ではない。フィクションではなく、ノンフィクション。超赤裸々まごうかたなき事実なのだ。

そして、いまただちになにをすべきなのかもすぐにわかる。そう、大地震が起こる前に、原発の核燃料をとりあえず安全な地域に移すこと。一刻もはやく廃炉にすることだ。地球が救われるのはそれしかない。

それにしても、なぜマスメディアはこんな超最重要情報をそれなりの扱いで報じないのだろうか。ことは、関西電力が債務超過になるから再稼働する、という些末な問題ではない。


2012年7月11日水曜日

さあ、金曜が近づいてきた。これからも地球に人類が棲めるように「官邸前抗議」に行こう! このデモ、怖くないし、感動できる。

先週の金曜日も先々週につづいて「官邸前デモ」に行きたかったのだけど、持病が再発して家から出ることができなかった。

この脱原発抗議行動は、「ジャスミン革命」にならって「あじさい革命」とも呼ばれる。うん、このデモ、アラブの春に近いパワーがあるかも。

ぼくはデモに行けなかったぶん、家のパソコンでIWJの「官邸前ライブ中継」をずっと観ていた。その中継で、デモ参加者をインタビューしていたけど、けっこう若い人が多かった。昨年の9月9日の「脱原発6万人集会」のときより、確実に若い層にも抗議の輪がひろがっている。

そのIWJのインタビューで、今回はじめてデモに参加しているという若者が多かった。「デモとか集会は怖いというイメージがあったけど、そんなことより、いま抗議の意思を直接届けなければ……」みたいな人が多く、そして「実際に現地に来てみたら、ぜんぜん怖いものではなかった」という声もかなりあった。

こんな若者が多いんだよね。「デモ=怖い」「デモ=特別な人たちの過激な行動」みたいなイメージを若い人たちはもっているようだ。でもね、この「官邸前抗議行動」は、まったく怖いものではない。現場に来たら実感できるけど、みんな整然と主催者の指示に従って、じつに平和的に抗議の意思を示している。

そして、より実感できるのは、抗議する人のものすごい数と、その一人ひとりの「再稼働」への怒りの強さだ。ほんと、みんな腹の底から憤っていることが、こっちの胸にびんびん伝わってくる。

そのみんなの気持ちに「絶対、原発をなくしてやる!」という勇気がわいてくる。そんなことが、この官邸前の現場に来ると体感できる。そう、このデモは感動するんだ。この体験は、人が生きていくうえで得がたいものとなり、きっとこの国のほんとうの市民社会のいしずえともなるだろう。

選挙という間接民主主義がほとんど機能しないこの国にあっては、市民一人ひとりが行動を起こす直接民主主義しか方法は残されていない。けっきょく、民主的市民社会はデモによって支えられているのだ。(ところで「民主党」とか「自由民主党」というのは、党名とその実態とが矛盾しているというか相反している。この党名って、詐称だよね)

世界から原発がなくなるまで、この金曜夜の「官邸前デモ」はつづけたいものだ。そのうち、全世界に「金曜夜の脱原発デモ」がひろがるかもしれない。

ところで、ぼくの病気、あと2日で治るかな。もう、ちょっとのところなんだけどな。完治すれば、もちろん抗議デモに参加する。

はじめて「官邸前デモ」に行く人は、地下鉄メトロ「国会議事堂前駅」ではなく、「虎ノ門」とか「永田町」とか「霞が関」とか、一つ手前の駅で降りたほうがよさそうだ。先週みたいに、警察が電車から降りた人を駅から出られない(この警察のふるまいは、いちじるしく憲法と法律に違反している)ようにするかもしれないからね。

そして、その1個まえの駅から、一路官邸前をめざすのだ。「総理官邸前」交差点から「財務省上」交差点までの2歩道・6車線の幅広い通りは、またきっと抗議の人で埋め尽くされるだろう。

野田首相に告ぐ! 

市民があげる「音」じゃなく、「心からのさけび」に耳をかさないと、「官邸抗議」が「官邸抗議」になるよ。一刻も早く再稼働停止、原発撤廃しないと、這う這うの体で官邸から豚走じゃなかった遁走することになるよ。

2012年7月6日金曜日

福島原発事故が過失による人災なら、大飯原発の現状は福島以上の過失状態ではないか

国会事故調査委員会は、東京電力福島第一原発事故の原因を政府、規制当局、東京電力の過失によって引き起こされた人災だとする報告書をまとめた。

ここで指摘された「過失」は、刑法上の「行為者が不注意によって犯罪事実の発生を防止しなかった落ち度ある態度」に符合する。

であるなら、ただちに司直は事故原因の当事者である政府、規制当局、東京電力の関係責任者の刑事責任を追及しなければならない。もし、検察などの司直がそれを怠れば、職務怠慢で罰せられることになる。

そして、ここで浮上するのが、再稼働する関西電力大飯原発3・4号機の安全性の問題だ。大飯原発の安全条件は福島第一原発と同じか、それ以下である。

大飯原発を再稼働するにあたってストレステストを実施したものの、あの原子力安全委員会の斑目委員長ですら、「ストレステストは安全委員会が要求している安全性のレベルに達せず、安全性の評価はできない」としたレベルのものだ。

安全性のガイドラインは福島原発事故と同じ、昨年の3・11以前のままである。さらに大飯原発の安全条件は福島原発より劣る。

大飯原発の敷地にある断層について、変動地形学の専門家である名古屋大の鈴木康弘教授と東洋大の渡辺満久教授は「活断層の可能性がある」と分析した。そう、大飯原発3号機直下に活断層が存在する。

この活断層の調査資料を持つ関西電力は、資料提出を要求されると「紛失した」という。子供だましもいいかげんにしてもらいたい。こんな重要な資料を失くすわけがないし、もしほんとうに紛失したのなら、こんないいかげんな会社に、人びとのライフラインである電力の地域独占をさせるわけにはいかない。

そしてさらに、大飯原発には、福島第一原発にはあった堤防もベントフィルタも免震棟すらない。

どうだろう、これは福島以上の「過失状態」ではないだろうか。

こういう状態での再稼働は、刑事責任上の過失にあたるのではないか。あきらかに、この大飯原発の現状は、政府、保安院、関西電力による、不注意もしくは故意によって犯罪事実の発生を防止していない落ち度ある態度ではないか。

大飯原発再稼働は前段階的人災状態である。ただちに稼働を停止しろ。

[7.6緊急!大飯原発3号機を停止せよ!首相官邸前&関電本店前抗議 ]
東京
【日時】7/6()1820時予定
【場所】首相官邸前(霞ヶ関駅より徒歩7分、虎ノ門駅より徒歩10)

【呼びかけ】首都圏反原発連合有志
http://coalitionagainstnukes.jp/
●大阪
【日時】7/6()1819時半予定
【場所】関電本店前(大阪府大阪市北区中之島3丁目616)
【呼びかけ】TwitNoNukes大阪有志


2012年7月1日日曜日