2013年7月29日月曜日

「原発無いと江戸時代に戻る」「原発有ると27億年前の地球に戻る」

テレビ司会者が述べた「原発無いと江戸時代に戻る」というのは、まったく馬鹿げた話だ。

ちなみに、2011年3月11日から2012年6月30日まで、日本の全原発は稼働しなかったけど、江戸時代に戻らなかったはずだ。

いまも2基しか稼働していないが、その話からすると明治初期あたりにも戻ってもおかしくないはずだけど、その兆候はいまのところまったくない。

この「江戸時代に戻る」というのは、非常に政治的な印象操作である。「原発無い、即ち、電気が無いと困るだろ」という不安の刷り込みをやろうとしているわけだ。

でも、よくこんな愚かな発言をするものだ。自分がどういう人間か、ということを満天下にみずからさらしたのだから。今後、真っ当な人間と真っ当な親交ができる可能性が極めて困難になるのでは、と想われる。

人間は正しい論理よりも、繰り返されるキャッチーな印象のほうに影響を受けやすい。そう、「ウソも百回言えば真実となる」(ゲッベルス)というナチスの情報操作戦略だ。この情報操作によって、ドイツ国民を洗脳し、多くの人たちを世界戦争に引きずりこんだ。日本もこのナチスと同時代、ほぼ同じことをおこなった。

またテレビCMは商品を印象づける広告がほとんどだ。

「原発無いと江戸時代に戻る」は荒唐無稽の極みだが、「原発有ると27億年前の地球に戻る」は本当にそうなるかもしれない、という根拠がある。

地球に生物が誕生する絶対的な条件となったのは、27億年ほどまえ、宇宙から地球に降り注ぐ、生物にとって有害な放射線をさえぎる強力な磁場ができたことによる。そう、放射線の脅威を受けないことが、地球生物が存在する条件となったのだ。

ところが、愚かな生物である人間は、そのみずからの存在を脅かす有害な放射線を自分たちで作り出してしまったわけだ。そして、1986年4月26日チェルノブイリを中心とした広い周辺で、2011年3月11日フクシマを中心とした広い周辺で、ヒト及びおおよそすべての生物の生存が困難となるエリアができてしまった。そう、人間みずからが作り出したのだ。

この二つのエリアでは、江戸時代どころか、人類発生以前の時代に戻ってしまったわけである。まあ、すくなくとも、局地的に数千万年まえの時代に戻ったことは確かだ。これは厳然たる事実である。

そして、「チェルノブイリ」や「フクシマ」のような原発事故が今後も繰り返されると、27億年まえの時代に地球全域が戻る可能性が出てくるのだ。

それと件の司会者に申し上げたい。江戸時代に来日した外国人の多くが、この時代に生きる日本と日本人を絶賛している。

たとえば『逝きし世の面影』(渡辺京二・著)を読まれるといいだろう。江戸に住む庶民は、いま東京に住む庶民よりも幸福だったのでは、ときっと想ってしまうから。この本を読んだ感想をぜひ聞きたいものである。

2013年7月28日日曜日

「鹿児島・川内原発近くで数か月内の大規模地震を懸念」東大村井名誉教授

「鹿児島県の北西部、川内(せんだい)原子力発電所近くで、異常な値を計測し続けている。桜島などの火山の影響も考えられるが、地震の前兆ならば、早くて数か月、遅くとも半年以内にはM6級の大規模な地震発生の懸念がある」村井俊治東京大学名誉教授(測量学)

こんな重大かつ緊急を要する情報なのに、一部メディアでは既報となっているものの、マスメディアやネットではほとんど報道されていない。

今回のこの地震予知は、「JESEA 地震科学探査機構」によるGPSの地殻変動分析データに基づいたもの。

GPSの基準点は全国に1240か所あり、2000年から07年に発生したM6以上の地震162回の調査から、そのすべてにおいて地震の前兆と推測される地殻変動が観測された。

この地震予知メソッドで、短期的には1週間、中期的には1カ月、長期的には3年以内に発生する地震の予測が可能である、という。

●参考資料
「JESEA 地震科学探査機構」http://www.jesea.co.jp/mail/
「Zakzak2013.07.26」 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130726/dms1307261545019-n2.htm

2013年7月25日木曜日

いまこの時も、毎時2170㎜㏜の放射性湯気が噴き上がり、絶え間なく放射性汚染水が海に流れ込む。なのに……

……なのに、政治も、世論も、メディアも、まるでそれがごく日常の出来事であるかのように、日時を刻んでゆく。

アフターアースは映画館に行かなくても、いまこの現実の暮らしのなかで、いくらでも体験することができ、そのプロセスをまさにリアルに、かいま見せてくれる。

これが2011年月11日以前なら、「毎時2170㎜㏜の放射性湯気が噴き上がり、絶え間なく放射性汚染水が海に流れ込む」という事態になれば、政治も、世論も、メディアも、こぞって天地がひっくりかえるほどの大騒動になっていただろうに。

そう、ぼくたちはリアルに、天地がひっくりかえる以上の事態に、いま遭遇しているはずだ。

でも、慣れというものは、これほどまでヒトの感覚を鈍磨させるのだろうか。

ぼくたちは間違いなくアフターアースへのプロセス、その史的現実を同時体験している。

なのに、そんなことは非現実のような相貌をして、日時は刻まれてゆく……。

2013年7月23日火曜日

知的倒錯?「福島の不幸で(原発)やめると、耐え難い苦痛を将来の国民に与える」自民・細田幹事長代行

この自民党の細田という人、大丈夫なんだろうか? 

そして、こんな発言をする人が政権を担う公党の幹事長代行でいいんだろうか? 

知的倒錯している人や政権政党が、世界を破壊する能力を有した原発というものを担っていいのだろうか? 

筆者は人のことを、正常とか異常とかに峻別したりすることを好まない。その個人の拠って立つ位置、しかも時々の位相によって、そんなものは反転したり、曖昧になったりするからだ。

そういった考えを抱く筆者だけど、この細田という人の発言には、どう控えめに述べても、「正常ではない」「知的倒錯である」という言葉しか出てこない。

また、この人の発言こそが、福島県民をはじめ、多くの国民に、耐え難い苦痛を与えたのではないか。知性だけではなく、感性も倒錯しているのか。

それでこのブログをお読みいただいている方々に訊きたい。下記のこの発言に「倒錯」を覚える筆者は、正常なのか、それとも異常なのか、と……。

 
「世界の潮流は原発推進だ。東電福島第一原発事故の不幸があるから全部やめてしまうという議論は、耐え難い苦痛を将来の日本国民に与える」自民党・細田博之幹事長代行(月22日、BSフジの番組での発言)

2013年7月22日月曜日

衆参のねじれが解消し、民意と政権のねじれが拡大する。そして原発の危険性も……

参院選は大方の予想どおり自民党の圧勝だった。これでいわゆる「衆参ねじれ」は解消されたわけだ。今後、国会の政治は自民党がヘゲモニーを握り、優位に進めることが可能となった。

今回の選挙では争点、論点が「経済」にフォーカスされたきらいがある。そう、アベノミクスの甘いエサに多くの日本人は食いついたわけだ。

ところがその甘いエサには、とんだ劇薬が忍び込ませてある。憲法改悪、TPP推進、そして原発再稼働である。

これらの「劇薬」に、多くの日本人は拒否反応を示すだろう。なぜなら、この劇薬は自分たちの自由を奪い、軍事侵略を推し進め、グローバル資本の植民地とされ、そして放射能汚染の拡大という作用があるからだ。

これは身心に、さらに本能にも激しく作用する。

かくして、政権と民意はぎゅうぎゅうにねじれる。「民政ねじれ」の拡大だ。

「国会政治」と「街場政治」という明確な峻別が起こり、ここに超高温の摩擦熱が発生する。国会で安倍政権は主導権を握るが、街場ではそうはいかないからだ。

地球温暖化ならぬ、日本列島激熱化である。どちらがこの熱に溶かされるのか、これからおおよそ年でそれは決する。

そしてそれは日本及び地球上に、生物が生息できるか否かを問う正念場でもある。

2013年7月20日土曜日

体育館に避難した若い作業員たちを現場に連れ戻す男たちがやって来た。「まるで作業員狩りだな」

【引用開始】

 2階では原発から逃げてきた若い作業員たちが隠れるようにして毛布をかぶっていた。その毛布を男たちが一人ひとりめくっていく。
……(中略)……
 逃げ出した作業員を見つけると、男たちは現場に戻るよう説得した。男たちが去った後、作業員の妻が「行っちゃだめだ」と夫に泣きながら訴えていた。
(朝日新聞「プロメテウスの罠」2013年7月20日朝刊)

【引用終了】

本日(20日)朝日新聞連載「プロメテウスの罠・原発城下町2」の見出しは「まるで作業員狩り」。
 
きのうは津波が来る前に地震で原発内部の配管がムチャクチャになり、作業員が逃げ出したという大熊町住民の声が記事になっていた。
 
きょうはその後、住民と原発作業員が避難した田村市総合体育館に、男たちがやって来たもようが綴られている。
 
そんな男たちに、「まるで作業員狩り」だと周りから声がもれた、という。
 
原発を稼働すると、こういう事態が起こるのだ。これが原発というものの実相なのだ。
 
まるで戦時だ。若い命を非常に高い放射線に満ちた「現場」へと無理やり連れ戻すというのだから。そう「現場」は「戦場」なのだ。いや、戦争より、まだひどい。
 
第二次世界大戦は約6年で終結した。だが、福島第一原発事故の収束はまるで見通しが立っていない。これからすくなくても何十年と「現場」に従事する作業員を必要とするのだから。
 
まだこの世に生まれていない人間が、この「現場」に従事する可能性が極めて高い。原発は、そんな生命までも「現場」という名の「戦場」に従事させるのである。

 

2013年7月19日金曜日

決定的証言「地震で配管がムチャクチャ、津波が来る前に作業員は逃げはじめていた!」

けさ、寝ぼけまなこで新聞を読んでたら、こんな記事があって、一気に眼が覚めた。


「どうしたの、何があったの?」

一人が叫んだ。

「先生、逃げろ! ここはもう駄目だ。配管がムチャクチャだ」

 まだ津波が来る前だ。それでも彼らは原発から逃げはじめていた。

(朝日新聞「プロメテウスの罠・原発城下町1」2013年7月19日朝刊)

 
どうだろう。
 
これは3.11当時の大熊町の住民が実際に目撃した光景である。
 
津波が来る前に、福島第一原発の配管はムチャクチャに壊れ、それを見た作業員は身の危険を感じて第一原発から逃走していた、というのだ。
 
朝日新聞の連載「プロメテウスの罠」で、きょうからの新シリーズ「原発城下町」に、この記事が載っていた。
 
この記事の重大性から、これはコラム連載の片隅ではなく、巻頭トップぶち抜き見出し級の情報だろう。

もう一度確認しよう。
 
津波が来る前、福島原発は作業員が逃げ出すほどムチャクチャに破壊されたのだ!
 
この決定的証言は原発の脆弱性を明確に示すものだろう。
 
いつ巨大地震が起きても不思議ではない地震列島ニッポンの真上に、そんな脆弱な原発や核施設が建っている……。

2013年7月18日木曜日

再稼働すると福島級事故起こるか?「起こる」「たぶん起こる」80%。全国1200人調査

広瀬弘忠(東京女子大名誉教授)らが、15~79歳の全国1200人を対象に東京電力福島第一原発事故に関するアンケート調査をことしの3月に実施した。

その集計結果が内閣府の原子力委員会に報告された。

(参考資料「朝日新聞2013年7月18日朝刊」)

●各地の原発が再稼働すると福島と同じような事故が起こる可能性は……

「起こる」23%

「たぶん起こる」57%

●福島第一原発の事故は収束しているか……

「収束していない」94%

●日本の原発はどうあるべきか……

「直ちにやめるべきだ」31%

「段階的に縮小すべきだ」54%

●災害に関して最も信頼できない情報源

「県や市町村」2%

「政府や省庁」33%

以上の集計データを見るかぎり、日本人はものすごくクールに原発の危険性や現状、将来の在り方、政府や官僚への信頼度を示している。
 
80%の人が福島級の超巨大事故が起こると考え、そしてほとんどの人が「原発は危ない」「原発はやめよう」とも思っている。
 
だけど、この市民の真っ当な意識が、政治に反映されない。
 
あろうことか、原発を全国で再稼働させ、世界に日本の原発を売り歩く政治勢力がこんどの参議院選で過半数を獲るといわれている。
 
この如何ともしがたい現状に、もどかしさを覚えるのは、筆者だけではあるまい。
 
こんどの選挙で、衆議院と参議院でのいわゆる「ねじれ」が解消されることは不可避だが、選挙後は一般市民と政府との「ねじれ」が、ますます大きくなることもまた不可避だろう。

 

2013年7月16日火曜日

原発で世界が滅ぶこと、戦争で人を殺すこと、戦争で自分が殺されること、以上を望むなら自民党へ投票しろ!

こんどの日曜日、21日は参議院選挙だ。

いまひとつぼやけているように見える論点だが、実は極めて明瞭な論点の選択を迫っている。

日本の原発を再稼働し、さらに世界に日本の原発を建設して、日本及び世界の絶滅へ貢献するのか。

また憲法を改悪して日本が他国への軍事侵略を可能とし、自分が政治家や官僚、資本家の奴隷となり、ひれふすことに喜びを感じたいのか。

ということを願うかどうかを選択する、実にわかりやすい選挙である。

原発で世界が滅ぶこと、戦争で人を殺すこと、戦争で自分が殺されること、以上を望み、また黙認したいのなら自民党へ投票すればいい。

大方のマスメディアの選挙結果予想では、自民党が大勝するそうだから、まずまちがいなくそういうお望みの現実が、そう遠くない将来やってくるだろう。