2013年10月12日土曜日

現場作業員が告白「汚染水1年半前から漏れていた」「コントロールできてない」「マスコミへの口封じ」

日刊スポーツが、福島第一原発の施設内でがれき運搬の作業に従事する50代男性を直接取材した。

その話の内容は、9月7日に安倍首相が世界に向かって宣言したものとは、まったく異なったものだった。

ことし8月に「汚染水漏れ」が露顕したとされるが、実は多くの現場作業員が「1年半以上前」から漏れていたことを知っていた、というのだ。

その作業員の話を引用してみよう――。

「マスコミ関係者に内部情報を話さないように(雇用)契約の時にサインをさせられているんです。マスコミと接触してクビになった作業員もいます」
 
そして、取材に応じることを決心したのは「管理のずさんさ、デタラメなことに我慢ができなくなった」からだと言う。
 
汚染水について「1年半以上前から漏れていました。付近で作業した多くの人が知っていることです。上司に指摘したこともあります。これまで隠蔽(いんぺい)していたのか、東電まで伝わっていなかったのは分かりませんが、現場では知られていた事実が、後になって発表されることが多いんです」
 
「(東電社員は)自分たちは現場に出ないし、作業員を見下しているので、そんなミスも人ごとなんですよ」

汚染水はコントロールなんてされていない。まったく制御不能なのだ。
 
この事実をもって、安倍首相はその職を解かれなければならない。
 
かりそめにも、一国の代表が満天下に虚偽の宣言をしたのだから、とうぜんのことだろう。
 
日刊スポーツはこれからも、この調子での健闘を期待したい。
 
(参考引用資料『日刊スポーツ』社会面2013年10月12日)

2013年10月10日木曜日

港湾の汚染水濃度10倍以上に。これは「事故」ではなく「事件」だ。なぜ捜査されないのか?

いったい、どれだけ生命の海は放射能汚染されつづけるのだろう――。

東電は10日、福島第一原発港湾内(2号機取水口付近)で、セシウム濃度が急上昇したと発表した。

9日に湾内で採取した海水から、セシウム134で1リットルあたり370ベクレル、セシウム137が830ベクレル検知された。

これは8日の10倍以上になる。

東電は地盤の改良工事が原因としているが、安倍首相の「汚染水完全ブロック発言」以降も連日、汚染水関連の「事故」が頻発している。

ここ3日間でも、つぎのような「事故」が起きている。
 
●配管はずすミスで7トンの汚染水が漏れ、作業員6人が被曝(10月9日)
 
●汚染水漏れ。原因はタンク底部の二つの穴(10月8日)

配電盤停止。注水ポンプが切り替わる(10月7日)
 

このような重大事故が起これば、環境汚染に関連する関係省庁の捜査機関が動くはずだ。
 
たとえば、化学工場で爆発があれば消防や警察など、産業廃棄物を指定場所以外に放置すれば自治体や警察などが、捜査にあたることをぼくたちは知っている。
 
いや重大事故でなくても、家庭ゴミでも、他人の敷地や公共の場所に棄てれば刑事罰の対象となる。
 
また、路上喫煙やたばこのポイ捨ても、多くの自治体で条例違反となり罰則がある。
 
であるのに、なぜ高濃度の放射性物質を大量に海洋に流出させても、警察や環境省、厚生省などの関係省庁は、東電本店や福島第一原発の現地捜査や調査に着手しないのか。
 
もしかして、こんな危険な現場に入りたくないから無視しているの? 
 
あるいは、天下り先の原子力ムラ関連企業に遠慮してのこと? 
 
これ、邪推ですか……。

 

2013年10月8日火曜日

これ突出した青春だけど、でも少年がみんな普遍的にもっているアホなところ、かもしれない。この絶妙の「アホ」がたまらん


岸和田少年愚連隊


中場利一
集英社(文庫)2010




ぼくは大阪の東部地域、その名も東大阪(旧布施)市出身である。

むかしの河内の国だ。その同じ河内に岸和田がある。岸和田は和泉の国という指摘もあるかもしれないが、和泉になるまえは河内だった。

この本の舞台は、その岸和田(大阪南部)である。

そうあの元プロ野球一のいかつい男、清原和博が生まれ育ち、だんじり祭で全国に名をはせる町である。あの清原でさえ影が薄くなる、彼を3倍はヤンチャにしたガキ、破天荒なオッサン、オバハンが、このノンフィクション(実話?)の登場人物だ。

まあ、この本に出てくる町で育ったら、「そら、みんなキヨになってもしゃあない」と首肯してしまう土地柄である。

ぼくが生まれ育った河内永和(近鉄奈良線の駅名)の近辺も、ガラがええとはいわんけど、岸和田のそれとは次元がちゃう。後者のそれは、もうほぼ治外法権、無法地帯だ。

で、この本は、鉄板を忍ばせた学生カバンを武器に、これ死ぬんちゃう、という半端じゃないケンカを繰り返す、凄惨そのものの中学生の日常を描いたものだ。

だけど、これ、ムゴイのはたしかだけど、なぜかそういう印象が残らない。過激な暴力描写がたっぷりなんだけど、すこーんと抜けた清々しい読後感がある。

この感じ、ヒトという動物が先験的に有している普遍的なサガとでもいうのか、そういうものを余すところなく発露してしまう潔さかもしれない。

自分のそういう衝動に素直というか、まあ単純にアホなんやけど、そのアホさがええ感じで描写されている。こんな無茶な少年が、おとなになって、こんな達者な文を書く、という驚きもある。

ぼくは大阪の私立の坊っちゃん学校で、チュンバー(主人公)の工業高とは同じ男子高とはいえ、その生徒のキャラがまるでちがう。

だけど学校をさぼり、パチンコに明け暮れ、競馬、競艇に通った共通項がある。また70年代初期と中期というずれはあるけど、ほぼ同じ時代の空気を吸っていたわけだ。もちろん、ぼくは主人公のようなケンカはしなかったし、できなかったけど。

高三の初めかな、ぼくはこの本に出てくる岸和田の春木競馬や住之江競艇に、学生服とカバン姿で行ったことがある(なぜかぼくは、ほとんど補導されなかった)けど、よくぞチュンバーのような連中に見つからなかったもんだと、本書を読みながら胸をなでおろした。

遠いむかしのことだけど、こいつらにからまれていたらと想うと、いまでもぞっとする。

でも、こんなオモロイ本、メッタにありまへんよ。

2013年10月5日土曜日

なぜ学校で憲法を学ぶ授業がないのか。この本でその謎が解けた。公教育の必修科目に「憲法」があると、すこしはこの国がよくなるかもしれない。



憲法は、政府に対する命令である。
 

 

ダグラス・ラミス
平凡社、2006



小学校と中学校の授業で「日本国憲法」を学んだおぼえがない。

三権分立とか太平洋戦争が終わって新しい憲法ができた、みたいなことは教科書で読んだような気がする。だけど、憲法ってどういうことが書かれてあるのか、その具体的な中身は、ほとんど何一つ授業で学んでない。たぶん。

おそらく、憲法を学ぶという授業は、この国の義務教育の具体的な課題にはなっていないはずだ。

でも、学校というか公教育で憲法を教えないって、変だよね。何といっても、日本国民として生きていく上での「基本」だから。道徳の授業よりも、学校の規則よりも、法律よりも、そんなものを教えるより、まずは憲法を教えるべきだよね。

だって、この日本という社会に住み、生活を営むためには、まずはその憲法を知ることが何より大切なはずだから。憲法って、そういうキャラだよ。

そんなことを、うっすらだけど、それなりの確信をもって想っておったある日、本屋の店頭でこんな文字が眼に飛び込んできた。

「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。(日本国憲法第99条)」

「憲法は、政府に対する命令である。」

ほっほう!そっかあ!って感じだ。眼からウロコがぽろぽろって落ちたよ。

だから、学校で教えないんだ。国を動かしている者は、憲法にどういうことが書かれているのか、知られたくないんだ。

だって、たとえば現在の社会状況なら、原発が爆発して人類史上未曽有の巨大な被害があり、その加害者がはっきりとわかるのに、検察は起訴して裁判にかけることもしない。

これは明白というか露骨に、憲法を尊重し擁護する義務を負っていない。憲法にある公務員たる職務をまっとうしていない。

こんなこともあるので、公務員やこの国の権力を握るものは、憲法の中身を知られたくないので、公教育でその具体的な内容を教えないんだ。

ということは、国民は憲法のことを知っておかないと、こんなやつらの思いのままにされてしまう、ってことにはならないかい。

たとえば、何かと物議を醸す第9条だ。

①日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

②前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

ぼくは卓球の指導と日本語現代文の読解には、すこし矜持をもっておるのだけど、どこをどう読み、どう読み解いても、この条文には、日本という国は軍隊を持てない、戦争はしない、と記載してある。

だけど日本には軍隊がある。世界有数の軍事力を誇る自衛隊が存在する。そして、この現実が不思議でならない。

これ、べつに難解な文章を読解する力がなくても、ごくふつうのたとえば小学校高学年なら、日本という国は軍隊を持ってはいけない、戦争はできない、と読むはずだ。

誰がなんと言おうと「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」というのは、「軍隊を持たない」ということだろ。また自衛隊は誰が何と言おうと「軍隊」だろ。

そうなのだ。こんな9条のような「軍隊を持たない」「戦争はしない」とはっきりと、誰が読んでもそうとしか読めない文意で記されているから、軍隊を持ちたい、戦争をしたいと願う、一部の政治家や公務員は憲法の内容を国民に知らせたくないのだ。

本書はダグラス・ラミスというアメリカ出身で、日本にながく住む政治学者の著作である。外国人が書いたのだけど、実にわかりやすく日本国憲法を解説している。そもそも、憲法とは何か、というところからひも解いてくれる。

というか、もともとそんなに難解ではないこの憲法なんだけど、それを一部の政治家たちが、自分たちの都合がいいように捻じ曲げるから難しくなる、ということを著者は教えてくれているのかもしれない。

たとえば憲法でもっとも問題となる9条の「国の交戦権は、これを認めない」の「交戦権」についても、それが「どんな権利なのか」、ものすごくわかりやすく、明解にラミスさんは述べている。

もうまちがいなく、安倍政権が続くかぎり、ここをめぐって政治は動くだろう。そして、もしこの政権の想うようにことが運べば、あなたやあなたの子ども、恋人、友人、知人は「戦争」ということに巻き込まれるだろう。たとえば「積極的平和主義」という名のもとに。

そのために自分や周囲の人が殺されること、また人を殺すことになるかもしれない。安倍政権があるかぎり、そんな事態が起こることは、ごく近い将来やってくる。

もし、そういう事態が起こらないとすれば、それは福島第一原発の4号機あたりか、再稼働した原発で事故が起きて、日本は戦争をできないほど滅ぶか、もしくは安倍晋三のお腹が痛くなるかである。

いや、あともう一つ、そういう事態に巻き込まれない方法があった。それは現憲法の中身を知り、第9条の「交戦権」を正しくというか、ごくふつうに理解することである。

「交戦権」の「交戦」とは、日本が他国を侵略するための戦争はもちろん、日本が他国から侵略されたとき自衛する戦争も指す。

本書はこの点について、「侵略戦争の場合はもちろん、自衛戦争の場合であっても、国の交戦権は認めない」という意味であると述べている。

この憲法の一節は、ぼくたちが戦争で外国人に殺されない、また外国人を殺さないための金言である。

まあ、有史以来、侵略戦争するといって戦争を始めた国なんてない。たとえ客観的に侵略戦争であっても、どの国も自国防衛、自衛のための戦争って言い張ってきた。

だけど政府が、すくなくとも民主主義的政府が存在する理由は、戦争をするためではないはずだ。戦争をしないために、ぼくたちはこういう機関に高い税金を払って維持しているつもりだ。

内政、外交の失敗が戦争なんだよ。

ときどき、日本国憲法は外国から押しつけられたからよくないという声が聞こえるが、たとえ外国からでも、いやバルタン星人やはるか彼方の宇宙人から押しつけられたとしても、とにかくいいものはいいんだ。

たとえ日本人が考えた「自民党憲法草案」よりも、現憲法の方が月鼈、雲泥万里の差をもって真っ当なんだよ。

1945年8月15日、日本はポツダム宣言の全面受諾、無条件降伏をもって戦争を終結させたが、あの戦争の一方的犠牲者、また加害者ながら犠牲者ともなった数千万人へのせめてもの報いが、日本人としてこの憲法を護ることではないだろうか。

日本人は現憲法を護る義務があり、その権利を有する。

しかし、それにしても、この本のつくりはすばらしい。中身はもちろん、表題、装丁からすごい(しかし、タイトルよりネーム(惹句)のほうが数倍大きいカバーなんて見たことあるかい?)。

同じ出版人、同業者として、ここに敬意を表したい。ちなみに装丁は業界で大御所とされる菊地信義だけど、この編集者もすごいよな。

2013年10月3日木曜日

『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』によると、ゴメリ州の健康な子供は10%以下、被曝地域の死者数98万5千人!

ゴメリ州は美人が多いことで有名なベラルーシ共和国にある。またこの国は、チェルノブイリ原発事故の放射能汚染地区としても世界的に知られている。そしてこの国の人たち、とりわけ子供たちが最悪な事態に陥っている。

「ベラルーシ保健省のデータによれば、大惨事直前(1985年)には90%の子どもが「健康といえる状態」にあった。ところが2000年には、そのようにみなせる子どもは20%以下となり、もっとも汚染のひどいゴメス州では、健康な子どもは10%以下になっていた」というのだ。

さらにベラルーシのほか、ウクライナ、ロシア、その他、欧州各国でも、衝撃的な被害に見舞われていることが報告されている。

このような実態をあきらかにしたのが、『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店)で、ロシア、ベラルーシ、ウクライナの4人の専門家が執筆にあたった共著である。

本書は5000点以上のデータをベースに系統的に分析した、まさにチェルノブイリ事故被害の全貌に迫った信頼すべき貴重なものだ。

そして、フクシマを体験した日本人にとって、最高の教訓となる警告の書でもある。

冒頭にもどろう。「健康な子どもは10%以下」とあるが、この事実に福島をはじめ、東日本などで被曝した地域の子どもたちの数年後の姿を連想するのは、ぼくだけではあるまい。

一説によると、東電福島第一原発事故で環境に放出された放射線量はチェルノブイリ事故の数倍にのぼるともいわれる。だから、なおさらだ。

本書によると、チェルノブイリ原発事故の放射能汚染による健康被害は、がんなどの腫瘍性疾患をはじめ、各種の健康不調や病気、症状、そして老化の加速など、実に多種多様にわたっている。そして事故後、4年から5年を経て、その健康被害数は統計的に有意となり、年を追うごとに増加した。

ちなみに、「老化の加速」というのは、しみやしわが増えるという程度のものではなく、老化を主因とするありとあらゆる病気疾患(たとえば糖尿病)にかかりやすいことを意味し、10年以上寿命を縮めるということである。

そう、被曝することは命を削り取られることを意味する。

ところで、東大医学部付属病院放射線科准教授の中川恵一は「われわれにとっての被曝の問題とは、がんが増える可能性があるということだけです」と述べているが、この事実になんとこたえるのだろうか。

また東大医学部はこんなことを公言した「准教授」に、どういう対応をしたのか、するのか。もし、不問ということであれば、東大医学部は中川の意見を認めると理解していいのか。

本書にはデータに裏付けられた、こんな一節がある。

「電離放射線が健康に及ぼす影響にしきい値はない」

「自然のバッググラウンド放射線[環境放射線]にごく微量の放射線が追加されるだけで、被曝した人やその子孫の健康は遅かれ早かれ統計学的な(確率的な)影響を受ける」

以上の指摘に、100ミリシーベルト以下の被曝は健康被害はない、と公言した日本の専門家たちは、なんと抗弁するだろうか。

日本の放射能汚染地域から、いまからでもいい、せめて子供たちの一刻も早い避難を訴えたい。さらに日本政府の人道的対応を求める。いま、この国の子どもがあぶない!


2013年10月2日水曜日

牛乳、それでもあなたは飲みますか?

ぼくが「牛乳」に注目するようになったのは『天皇家の食卓』の執筆のため、あれこれ資料を渉猟していたときだった。それは、日本ではじめて牛乳を食したのは天皇家ではないか、ということに突き当たったからだ。
 
奈良時代には、もう乳製品が天皇家の食卓にのぼっていた。そのころ、日本の庶民はほぼまったく牛乳や乳製品を口にしなかった。いまでは日本の家庭の食卓に当たり前のようにある牛乳だけど、庶民が牛乳や乳製品を口にするのは戦後になってからのことなのだ。
 
ぼくたち日本人が牛乳を飲み始めたのは、日本の歴史からいって、「つい最近」のことである。
 
日本は明治になって、髪型から服装、食まで、ありとあらゆる文化が西洋近代に席巻され、牛乳も販売されるようになった。この販売元は、江戸期の旗本や武士たちで、広い屋敷を利用して乳牛を飼ったのだ。まあ脱サラならぬ脱武士をして始めたのが牛乳販売である。
 
ところがこれが売れない。庶民は端から牛乳を毛嫌いした。福沢諭吉、それに天皇も牛乳の啓蒙につとめたが、それでも庶民にはまったく普及しなかった。
 
ではなぜ、牛乳を天皇家は食し、庶民は口にしなかったのか? 
 
この事実だけで、日本人にまつわる、実に興味深い謎が浮かび上がる。

その謎を解くヒントが「食性」というものに隠されている。世界各地域の民によって食べるものが異なり、それを消化吸収できる、できないという差異もある。
 
そう、民によって、食性が異なるのだ。それはたとえば、この食べものは、Aという民には滋養に富んだものだが、Bの民には毒になることもある、というケースだ。その傾向がもっとも過激にあらわれたのが、牛乳なのだ。
 
まあ、くわしくは『天皇家の食卓』の「五の膳・牛乳大論争」を読んでいただきたいのだが、この牛乳にまつわる食性によって、天皇家や日本人の出自が俄然クローズアップされるのだ。
 
天皇家が歴史上早くから乳製品を食したのは、それが身体に「益」になったからで、庶民が口にしなかったのは「害」になったからではないか――。というかなり確度のたかい推理が成り立ち、それは乳糖分解酵素を体内に産生するか否か(あるいはその多少)がキモとなる。
 
ぼくは以前は牛乳を健康食品だと思い、「低温殺菌」「ノンホモジナイズ」といった牛乳をがぶがぶ水代わりに飲んでいた。ところが、この「食性の事実」に遭遇して以来、牛乳を飲むことはなくなった。
 
完全に乳製品を断っているわけではなく、チーズやケーキなどの菓子類などは食する。乳製品はぼくにとって健康食品ではなく嗜好品だ。なぜなら、すくなくとも多くの日本人の食性に乳製品は適さない、という認識があるからだ。
 
この牛乳と食性について教えられたのが、島田彰夫(元宮崎大学名誉教授)の『食と健康を地理からみると―地域・食性・食文化』『動物としてのヒトを見つめる―衛生学・文化人類学そして生活学へ』等の著書である。この本でぼくは、食性と地域の民との関係にめざめたのだ。
 
さて、牛乳は「益」か「害」か――。
 
多くの食品にあって、専門家のあいだで、この牛乳ほど賛否が分かれるものはないだろう。ぼくははっきり「否定」の立場だ。なぜそうなのか、訊かれればもう山ほどあるが、ここでは以下の数点にしぼろう。
 
まず、そう食性の問題だ。たとえば牛乳を飲むとお通じがよくなる、という人がいる。これは便通がよくなったというより、軽度の食中毒をおこしている可能性がたかい。身体が牛乳を食べものとして認知せず、よって消化吸収をやめて身体からいち早く排出するためにおこる症状なのだ。つまりそういう人は、乳糖分解酵素がないか、すくないのだ。
 
また現代の食生活は「カルシウム不足」だとされ、そのために骨粗鬆症になる人が多いという。そして、その補給にはカルシウムをたっぷりふくんだ牛乳がいいと喧伝される。
 
だが、この「牛乳カルシウム補給説」は、かなりあやしい。骨粗鬆症は欧米人に多いのだが、その欧米人は日本人よりも多く牛乳を摂取している。
 
なぜカルシウムを多量にふくんだ牛乳を飲んでいるのに、かれらは骨粗鬆症になることが多いのか。それは牛乳を摂取することで、逆に骨にふくまれる体内のカルシウムを排出してしまうからである。
 
さらに女性の乳がん、男性の前立腺がんの原因を牛乳と乳製品に挙げる専門家の意見に信憑性をおぼえるからである。
 
牛乳とは、ほんらい母牛が仔牛のためにあたえるものだ。仔牛は誕生して乳を飲み約2か月で離乳するが、誕生時の40キロから60キロにもなる。たった2か月で20キロも増えるのだが、これは牛乳にふくまれる成長ホルモンが要因となっているという。
 
そんな急成長をおよぼすホルモンを含有したものを、人が何年、何十年と摂りつづけることによって、乳房や前立腺などの生殖器官にがんを発生させる、というのだ。
 
これはジェイン・プラント著『乳がんと牛乳──がん細胞はなぜ消えたのか によって知ったものだ。著者は女性科学者であるが、進行性乳がんになり、乳房の摘出手術を受けながらも転移を繰り返した。
 
だが、彼女はその科学者としての探究心から、専門外ながらもみずからがんの原因を探り、ついに牛乳がその要因であることを突きとめた。そして、実際に自己の食生活から一切の牛乳や乳製品を排除することで、短い余命を宣告されながらも、その後15年以上再発することなくすごしている。
 
また市販の牛乳のほとんどは妊娠している牛から搾乳されたもので、この乳には大量の女性ホルモンがふくまれるが、これが人の生殖器官に作用して乳房や前立腺のがんの成長を促進させる、ともいわれている。
 
以上のことを知ってから、ぼくの周囲の乳がんになった女性に、一切の牛乳と乳製品を摂らないようにすすめている。
 
さらに、タバコが要因ではないとされる肺腺がんが急増しているが、これも牛乳や乳製品の摂取が原因なのでは、と疑われている。
 
それと放射能汚染された食品でもっとも危険とされるのが、きのこ、それに牛乳だ。
 
とくに、子供には健やかな成長を願って、牛乳をよく摂らせるお母さんが多いが、これは放射能汚染だけにかぎっても、やめたほうがいいと思う。子供は放射線への感受性がたかく、毎日のように飲むことが多いものだから、その危険性はすこぶるたかい。
 
なお、前述したように、専門家で牛乳への賛否は分かれる。この牛乳の人体への影響について、科学的証明がかなり難しいのも事実だ。
 
牛乳と健康について興味があれば、ぜひつぎの本を手にとっていただきたい。あなたとあなたのこどもの健康のために……。

 
 

2013年10月1日火曜日

当ブログへ「白血病にかかってしまい、今は治療しています」とコメントされた方へ

9月13日に当ブログへ、以下のようなコメントを2011年6月20日付「ただちに危険だ! 原発通信6 逆オオカミ少年に気をつけろ」に寄せられ方へ――。
http://akiba1.blogspot.jp/2011/06/blog-post_20.html?showComment=1379003084037

【コメント】


やっぱり柏市だからなんですね。

手賀沼の釣り堀でニジマスを釣り、皆で食べました。家庭菜園でできたものも頂きました。

私は元々、甲状腺機能低下症です。
白血病にかかってしまい、今は治療しています。

家族が心配です。子供たちの将来が心配です。
今からでも移住はしたほうがよいのでしょうか。

 

以上のコメントにぼくは以下のような返事をコメント欄で発信しました。

 
【秋場返信】

柏市在住で白血病にかかられたということですが、もうすこし詳しいことが知りたいものです。

11年3月11日以来の食生活、放射線防護対策(たとえばマスクとか、線量計での自宅や周辺の測定とか)、ご自身の症状、それにお子さんの状態もお知らせ願えませんでしょうか。

できるなら、いまからでも移住されたほうがいいと思います。

お役にたてることがあれば、させていただきます。

秋場龍一

その後、コメントを頂いた方からの返信を待っていたものの、いまだありません。

そこで再度、ご自身やお子様の状況をうかがいたく、このように再掲した次第です。

以上ご覧いただいた節は、コメント欄かメールでご連絡を頂けませんでしょうか。お願いします。

また、柏市や松戸、流山など東葛地区にお住まいの方で、放射線障害が疑われるような症状や病状がある方もお知らせください。

秋場龍一ryu777@oboe.ocn.ne.jp